たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『王様の事件手帖』若き王イェジョンは19歳で死んだが

イ・ソンギュンの『王様の事件手帖』ムン・ヒョンソン監督,2017(Gyao)深刻にはならずに,むねがすっとする映画.もし私がまだ若いとしたら疲れた時,こんな映画を映画館ではなく,夜中にひとりでぼんやりみたい. 『王様の事件手帖』王(イ・ソンギュン)と…

ソン・ガンホの『パラサイトー半地下の家族』

アカデミー賞受賞作品『パラサイト』ポン・ジュノ監督,2019ぎっしりつまっていてひとりひとりがいろいろ考えることができる.それでいて展開が予想できず,はらはらし続ける.世界共通のテーマというより韓国人独特の世界観を切り取ってみせることで普遍的…

『復讐の女神』ーー韓国流ミス・マープル

チョン・ウンインの刑事がしぶい『復讐の女神』2018自分の娘が殺されたのに犯人として逮捕され,9年後,真犯人をみつけるために脱獄したミス・マ(キム・ユンジン). 『復讐の女神』脱獄のためのトレーニング ミス・マープルとおなじく椅子に座り,編み物を…

jazzから遠くーー『Blues for Dracula』ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズ

フィリー・ジョー・ジョーンズ『ブルース・フォー・ドラキュラ』1958,Riverside参考書にのっているジャケットのおもしろさで選びました. 『ブルース・フォー・ドラキュラ』 1. Blues for Dracula (Johnny Griffin) 2. Trick Street (Owen Marshall) 3. Fies…

『霊魂修繕工』ーー現代韓国の社会の見方

シン・ハギュンの『霊魂修繕工』2020, KB2大御所シン・ハギュン(46)が精神科医イ・シジュン教授. 患者のウジュをチョン・ソミン(31). **ドラマは,主だった俳優たちがすすめていき,数話ずつのエピソードに,よく知っている俳優が出演. 『霊魂修繕工』…

むかしの映画だとしても『アジョシ』

ウォンビンの『アジョシ』イ・ジョンボム監督,2010 (Gyao)見ておきたいと思う映画は,だいたい見逃した昔の映画.『アジョシ』は私に時間と心の余裕がなかった時期,このころの映画はほとんど知らないし,韓国映画はなおのこと. 『アジョシ』追手から逃…

大男への声援ーー『がんばれ!チョルス』

チャ・スンウォンの『がんばれ!チョルス』イ・ゲビョク監督,2019(Gyao)原題は「力をだして,ミスター・イ」らしい.韓国人への偏見かもしれないが,背の高い人が多い.2019年の夏まで心斎橋筋は観光客であふれていて背の低い私は巨人にかこまれて人流に…

ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド(四)』ーーー存在としての〈父〉

石塚裕子訳『デイヴィッド・コパフィールド(四)』岩波文庫私が爺さんであるからかこの物語で父親の役割と不在が推進力になっていることに気づく.主人公の不幸が父親の不在による母の再婚,継父による虐待にはじまる. 『デイヴィッド・コパフィールド』新…

『暗数殺人』---刑事の執念

キム・ユンソクの『暗数殺人』2018,韓国(GYAO)この人のでている映画はわりとみてきた. 『暗数殺人』刑事役のキム・ユンソク(左)とその父役のチョン・グクファン(右) はじめは,チェ・ミンシクと混同していたのがいまではわかる.『タチャ』2006『楽…

映画のアーレント『ハンナ・アーレント』

ドイツ,ルクセンブルク,フランス,2012『ハンナ・アーレント』 マルガレーテ・フォン・トロッタ監督,バルバラ・スコヴァ主演 (Gyao) 日本公開,2013年.私は,ぜんぜん知らず, 今回はじめて見ました.**ハンナ・アーレントは,名前をきいたことがあるよ…