たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

100 映画・ドラマ

高峰秀子生誕100年『カルメン純情す』--実験的作品が許されたのかどうか?

木下恵介『カルメン純情す』松竹, 1952テレビで木下恵介「劇場」とか「アワー」というのが毎週あって,見るかどうかは,タイトルで判断していました.全体的に,ホームドラマの印象があって戦中派むけの番組に思えたからすぐにみなくなりました.映画監督だ…

『ビニールハウス』--「半地下はまだマシ」

イ・ソルヒ監督『ビニールハウス』韓国,2022「半地下はまだマシ」とチラシでうたっているのは,たぶん,大半の日本人が,韓国映画なら『パラサイト』くらいしか知らないからだろう.キム・ソヒョン主演と宣伝してもそんなに集客できあそうにない.「半地下…

原節子の『めし』---大阪の風景の記録

成瀬巳喜男監督『めし』東宝,1951上原謙の映画,2つめ.1909年生まれのこの人は昭和前期の二枚目スターのようですが,40代の『宗方姉妹』と『めし』だけからくる印象はひじょうに戦後的な男前.彼は,けっして確信がもてずそれでいて,まだまだ男優位の位置…

高峰秀子生誕100年『宗方姉妹』---昭和の姉妹のイメージ

小津安二郎監督『宗方姉妹』新東宝,1950大佛次郎原作,姉,節子(田中絹代),妹,満里子(高峰秀子). 『宗方姉妹』薬師寺の姉(田中絹代)と妹(高峰秀子) 父親(笠智衆)のこと,妹のこと,そして無職の夫(山村総)の心配をして生きているのが姉.長女として…

小津安二郎『風の中の牝鶏』---戦後の日常の光景

小津安二郎監督『風の中の牝鶏』松竹1948まだ中年のころ小津ブームがあって,テレビでも本でも特集があった.どうしても,中断.老年にみていこうとするのは残りの人生を考えると避けてばかりはいれないから. 中高生のころの,勉強を思い出す.**『晩春』(1…

高峰秀子生誕100年『女が階段を上がる時』--現実生活に地続きのフィクション

成瀬巳喜男監督『女が階段を上がる時』東宝,1960見たことのない映画だと思っていましたが,途中で,やはりテレビ見たことがあると思い返しました.実際に見たことがあるのかどうかは不明で,似たような映画シーンなのかもしれません.***1960年はたしかにあ…

綾瀬はるかの『プリンセス・トヨトミ』--大阪全停止,という政治利用

鈴木雅之監督『プリンセストヨトミ』東宝,2011 この映画は,制作経緯やストーリーがわが大阪の政争「大阪都構想・W選挙」と癒着したとかなんだかで 他の都府県のかたがた,とくに自民党支持層に評判が悪くて現在でも評価が低い.しかし,綾瀬はるかが不動の…

高峰秀子生誕100年『張込み』-- 松本清張のリアリティ

『張込み』野村芳太郎監督,松竹,1958.松本清張の小説を読んだことはないのだが,映画やテレビで気が付けば,たいがい見ている.といっても,たいがいの筋は憶えていない. wikipediaでみると『張込み』はこの映画以降,テレビで繰り返しドラマ化されている…

『薄氷の告発』--見逃してしまっていること

『薄氷の告発』ユン・クォンス監督,2023 することもないので何かしようと考えると映画くらいしかなく,今日が最終日ということでこの映画.シネマートでは15日から1週間しか上映されなかった. *** アイススケートのコーチの性暴力を被害者が告発するという…

歴史サスペンス『梟--フクロウ--』-- リュ・ジョンヨル主演

アン・テジン監督『梟ーフクロウー』2022これは,おもしろかった,すべての要素がむすびついていくのが巧み.史実を題材にした娯楽映画ではあるが,観客が席をたつとき,感銘したことがあきらかだった.**リュ・ジョンヨルが,社会の底辺に生きる盲目の針師…

『カルメン 故郷に帰る』--高峰秀子生誕100周年

『カルメン 故郷に帰る』木下恵介監督,松竹1951かなり若いころにテレビ放映されて見たのですが,途中でやめてしまいました.50年以上たったと思います.いまみると面白い.日本初の「総天然色映画」ということ.1951年という時代(戦後6年).のことを何と…

生誕100年,高峰秀子『放浪記』--東宝創立30周年記念作品

成瀬巳喜男監督『放浪記』東宝1962年『放浪記』は森光子を思い出しますが,見たこともなかったし林芙美子のことも知りませんでした.高峰秀子生誕100周年というひかえめな風潮がなければ,高峰秀子じたいに興味をもつことがなかったかもしれません.***これ…

索引 4 アジア映画

【さ】少年の君,(中,2019) 【は】 ピザ! (カラスの卵),(印,2014)

生誕100年,高峰秀子『喜びも悲しみも幾歳月』

『喜びも悲しみも幾歳月』木下恵介監督,松竹1957高峰秀子生誕100年ということで少し遠い映画館ではあったのですが,『二十四の瞳』を見ました.平日の昼,私の世代でにぎわっていました.現役世代はさすがにいない.ほんとうは『細雪』と『息子よ,衝動殺人…

原節子の『麦秋』,あるいは小津安二郎の『麦秋』

小津安二郎監督『麦秋』1951何度もテレビで放映されてきているでしょうが,私は,たぶん見ていない.若いころは,欧米の映画のほうが圧倒的におもしろいと思っていたので, 『麦秋』紀子の暮らす家庭 寅さんも角川も1本ずつしか見ませんでした. **黒沢,小…

ウィリアム・ワイラー監督,サイコ・サスペンス『コレクター』

ウィリアム・ワイラー監督『コレクター』米,1965 "The Collector," (direc) by William Wylerずっとアメリカ映画だと思っていて,今回あらためてみるとイギリスの話であった.のに,コロンビアであり,アメリカ映画だった.若いころ見たときの衝撃は強かっ…

『独裁者』--チャップリン

チャールズ・チャップリン監督・主演『独裁者』1940 高齢者は チャップリンを白黒テレビで何度もみているのだが,当時,こどもとしてはすでに古い感じがした.**毎日,アメリカのドラマやアニメをみていたからコメディは「ドタバタ」においてチャップリンを…

天王寺おばあちゃんゾウ『春子 最後の夏』

『春子 最後の夏』人見剛司監督,2015 天王寺動物園のゾウについては知らなかったが,このゾウが死んだときは,小さなニュースになった.横や前を何十回も通りながらも数度だけ.大人になってから一度,その時はカバがおもしろかった. 『春子 最後の夏』飼…

鈴木亮平の『エゴイスト』

松永大司監督『エゴイスト』2023,東京テアトル大阪でふつうにくらしているとゲイの人をみかけることはあっても暮しで関りをもつことはほとんどない. **テレビの『昨日何食べた』は はじめはおもしろく感じたが私たちと何ら変わりない生き方を示しはするが,…

チャ・テヒョン『風と共に去りぬ!?』

キム・ジュホ監督『風と共に去りぬ!?』2012朝鮮王の若きイ・サンの時代,冷蔵庫などないので採氷して氷室で保存.暑くなると宮廷や市場にだすという強大な利権・政治が舞台. ヤン(イ・ムンシク)の書店で乱読しながらぶらぶらくらすドンム(チャ・ヒョン…

『クロッシング』--「脱北」のイメージと現実

『クロッシング』2008, キム・テギュン監督脱北については,いくつかの映画やドラマで見聞きしています.想像はするのですが私たち日本人には現実感がありません.***『クロッシング』の主人公,ヨンス(チャ・インピョ)は,元サッカー選手の鉱夫.貧しいの…

イ・ソンギュンの『キリング・ロマンス』---韓国映画祭の慧眼

イ・ウォンソク監督『キリング・ロマンス』2023, 韓国〈駐大阪韓国文化院「大阪 韓国映画祭」〉私は,イ・ハニを『エクストリーム・ジョブ』で衝撃的に見直しました.『キリング・ロマンス』はさらに前進しているのですがそれがイ・ソンギュンの変態的な演技…

索引 3 欧米の映画

【あ】 アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男(2015独) アガサ・クリスティー ねじれた家(2017英) アルマゲドン(1998米) 暗殺のオペラ(1970伊) イエスタディ(2019英) 硫黄島からの手紙(2006米) 女の一生(2016白) 【か】 かくも長き不在(1961仏) 切り裂…

芸の道はそんな道--のような『ブラック・スワン』

ダーレン・アロノフスキー監督『ブラック・スワン』2010,米 バレエには興味がないというより縁がないのですが,近年,バレエ・ブームである,とテレビで数か月前にいってました.「白鳥の湖」という作品があることは知っていても白鳥と黒鳥を一人のバレリー…

原節子の『晩春』--小津安二郎(1)

小津安二郎『晩春』昭和24年(1949)1949年を思い出すには すでに90歳くらいの人でないともう不可能でしょう.私にとっても戦後のイメージは自分のうっすらとした記憶なのか50年代後半からみてきた映画やドラマのイメージによってつくられたものなのかもうわか…

『ローマの休日』--ラブ・コメの原点

『ローマの休日』ウィリアム・ワイラー監督,米,1953こどものころから高年まで二三度みてそれから20年以上たってほとんど覚えていないのでまた見た.若きオードリー・ヘプバーンの魅力を存分に描いだした「ロマンティック・コメディ」.※「ラブ・コメ」とは…

バスにのる『窓の外は冬』

『窓の外は冬』2020,イ・サンジン監督<<大阪韓国映画祭>>韓国映画祭で選ばれてなかったら私はみることがなかっただろう小さな作品です. 大人へとかわりつつあるふつうの若者が夢の挫折と失恋とをこころの奥底に沈めて現実のじぶんをとらえようとする静かな…

チャ・テヒョンの『マイ・ハート・パピー』あるいは『モンムンイ』

キム・ジュファン監督『モンムンイ』2023多くて<<韓国映画祭>> 駐大阪韓国文化院初めて韓国映画をみたのは,アン・ソンギを知ったころで『アジア映画祭』でした.一般の映画館が800円くらいだったかで,アジア映画祭は1本600円.私は中国映画がおもしろいと…

チャ・ミギョンの『京都から届いた手紙』

キム・ミンジュ監督『京都からきた手紙』2022,韓国<<第9回韓国映画祭>>駐大阪韓国文化院一昨年に「韓国映画祭」があると知って応募して今回もわりとチケットがあたったので,うれしい(明後日の分もあたった)のです.4日間で6本の映画が上映されます.その1…

イ・ソンミン『復讐の記憶』--自己の記憶と歴史としての記憶

ナム・ジュヒョク『復讐の記憶』2022,イ・イルヒョン監督,韓国80代の老人が自分たちの歴史に復讐する.認知症の彼は文字通り歴史の記憶が薄らいでいきます. 『復讐の記憶』自分の記憶がうすれていくピルジュ(イ・ソンミン) 宣伝動画から 日本の統治下で…