たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

211 日本文学

市川沙央『ハンチバック』--169回芥川賞

市川沙央『ハンチバック』2023年,文藝春秋量としては中編小説,あるいは短編小説.ラジオで話題になっていたからと見ました.ミオチュブラーミオパチーという病気で背骨が曲がっている中年の処女が,親の遺産によるブルーホームで電動車椅子,人工呼吸器,…

索引 7 本

【あ】 『ヴェニスの商人』シェークスピア 『大いなる遺産』ディケンズ 【か】 『荒涼館1』ディケンズ『荒涼館2』ディケンズ『荒涼館3』ディケンズ『荒涼館4』ディケンズ 【た】 『デイヴィッド・コパフィールド(1)』ディケンズ『デイヴィッド・コパフィール…

瀧口夕美『民族衣装を着なかったアイヌ』――「先住民」のイメージ

瀧口夕美『民族衣装を着なかったアイヌ』2013,sure私は,沖縄や北海道のことを考えたりすることもなかったし,貧しいせいで旅行にいくこともない.**ウクライナ紛争がおこってから積極的にではないが「侵略」について目がいくようになった.そして,パレスチ…

谷崎潤一郎『細雪』--文学史の重要作品,らしかったから.

谷崎潤一郎『細雪』(新潮文庫,上・中・下)私が読んだのは1979年にもらった新潮文庫の3冊.それから何度も,読んではみるのですが,3ページくらいで,断念してきました.***44年すぎて,自分の終活の最重要事項が本の始末.買ったままで読みもしなかった上…

『白い巨塔』―――山崎豊子の心意気

山崎豊子『白い巨塔』(新潮文庫,全5巻)医療小説『白い巨塔』は,昭和40年代前半の作品であり,設定は昭和39年からの2年半.私は,田宮二郎をみるべきだったが端役の人だと勘違いしていて有名なテレビドラマをみなかった.***唐沢寿明版(2003)は,1,2本みて…

『コンビニ人間』――どこにでもいる自分

村田沙耶香『コンビニ人間』(文春文庫)昨年,ラジオでなぜか芥川賞受賞のころのインタビューのようなものをきき,読みたいと思いながらも忘れていました.偶然,書店でみて思い出しました.2016年,芥川賞受賞したというのだからそれにまったくついていっ…

『小僧の神様』岩波文庫

志賀直哉『小僧の神様』(岩波文庫)きょう奈良公園をぬけて入江泰吉記念写真美術館にいくとちゅう「旧志賀直哉居宅」という標示がめにとまった. 奈良公園 先週だったか『デイヴィッド・コパフィールド』のペゴティー兄のことば「引き潮になったら逝っちま…

宇佐見りん『推し,燃ゆ』-若さの対象

宇佐見りん『推し,燃ゆ』(河出書房新社)若い人の書く,あたらしい小説は,もう読む時間がないから,さけようと思っていました.家人のすすめの『推し,燃ゆ』.驚いたのは,文体の整い方.私たちがむかし国語でならったいい文章の見本です.**母が……クラ…

ドナルド・キーン『日本を寿ぐ』ことほぐ-日本人への警鐘

ドナルド・キーン『日本を寿ぐ―九つの講演』新潮選書,2021ドナルド・キーンほど,日本人らしい日本人として日本文学を研究し,愛した,ふつうの日本人にもわかりやすい文学者を私たちは知らない.しかし,私は知っているわけでもない.新聞連載ですこし読ん…