たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

『つぎにくるソヒ』または『あしたの少女』--(2),あるいは,宝塚宙組生自死について(2)

宝塚について(2)---法の問題と倫理の問題昨日,被害者家族側の代理人弁護士が記者会見をおこないました.当然ネットでは,ファンが話題にします.被害者側にたつ人と劇団側にたつ人.*** ネット記事やファンブログをみて思うこと. ①遺族側弁護士が,いくら…

『ローマの休日』--ラブ・コメの原点

『ローマの休日』ウィリアム・ワイラー監督,米,1953こどものころから高年まで二三度みてそれから20年以上たってほとんど覚えていないのでまた見た.若きオードリー・ヘプバーンの魅力を存分に描いだした「ロマンティック・コメディ」.※「ラブ・コメ」とは…

バスにのる『窓の外は冬』

『窓の外は冬』2020,イ・サンジン監督<<大阪韓国映画祭>>韓国映画祭で選ばれてなかったら私はみることがなかっただろう小さな作品です. 大人へとかわりつつあるふつうの若者が夢の挫折と失恋とをこころの奥底に沈めて現実のじぶんをとらえようとする静かな…

チャ・テヒョンの『マイ・ハート・パピー』あるいは『モンムンイ』

キム・ジュファン監督『モンムンイ』2023多くて<<韓国映画祭>> 駐大阪韓国文化院初めて韓国映画をみたのは,アン・ソンギを知ったころで『アジア映画祭』でした.一般の映画館が800円くらいだったかで,アジア映画祭は1本600円.私は中国映画がおもしろいと…

チャ・ミギョンの『京都から届いた手紙』

キム・ミンジュ監督『京都からきた手紙』2022,韓国<<第9回韓国映画祭>>駐大阪韓国文化院一昨年に「韓国映画祭」があると知って応募して今回もわりとチケットがあたったので,うれしい(明後日の分もあたった)のです.4日間で6本の映画が上映されます.その1…

宝塚歌劇団--教育(指導)の水準と効率

団員の自死9月末, タカラジェンヌが飛び降り.文春がいじめによる自殺だといい,劇団側がいじめを否定. 文春が続報. 遺族の発言を一般人はきくことがありませんでした. **宙組は公演中止. 11月17日に劇団の発表があると思っていたら 11月10日,遺族の代…

イ・ソンミン『復讐の記憶』--自己の記憶と歴史としての記憶

ナム・ジュヒョク『復讐の記憶』2022,イ・イルヒョン監督,韓国80代の老人が自分たちの歴史に復讐する.認知症の彼は文字通り歴史の記憶が薄らいでいきます. 『復讐の記憶』自分の記憶がうすれていくピルジュ(イ・ソンミン) 宣伝動画から 日本の統治下で…

瀧口夕美『民族衣装を着なかったアイヌ』――「先住民」のイメージ

瀧口夕美『民族衣装を着なかったアイヌ』2013,sure私は,沖縄や北海道のことを考えたりすることもなかったし,貧しいせいで旅行にいくこともない.**ウクライナ紛争がおこってから積極的にではないが「侵略」について目がいくようになった.そして,パレスチ…

『イエスタディ』――ビートルズの記憶

ダニー・ボイル監督『イエスタディ』2019,英 ビートルズの「Now And Then」が発表された.私たち老人はYOUTUBE上でずっと前から誰かがアレンジした「NOW AND THEN」をきいていた.不確かな記憶だがFree As A Bird の制作のとき 3曲めの「新曲」として編集さ…

ソル・ギョングの『公共の敵』

カン・ウソク監督『公共の敵』2002年カン・ウソクという名をはじめて知りました.しかし,『シルミド』2004, 『黒く濁る村』2010をみていました.***そして『ソウォン』2013でみなおしたソル・ギョングがもっと若かった『公共の敵』でさらにみなおし,『シ…

船越英二主演・市川崑監督『野火』--靴の話

市川崑『野火』1959年,大映私の記憶があいまいで混乱していて『野火』はカラーでみたようなつもり.しかし,カラーの塚本晋也版は2015年のようだから感覚では2000年くらいの作品の気がしていたから,みたこともはっきりしない.市川崑のモノクロ作品は何十…

ソル・ギョングの『ソウォン/願い』--演技の演技

これもイ・レでした---『ソウォン』2013,韓国あとで気づいたのですが,このソウォンという少女はイ・レでした.『ソウォン』の翌年に『犬どろぼう完全計画』.雰囲気が似ているなとおもいつつも同一人物とは気づきませんでした. 『ソウォン』大人にはできな…

映画のもつちから『あしたの少女』――つぎにくるソヒ

ペ・ドゥナの視点『あしたの少女』チョン・ジュリ監督,2022こんな構成が可能なのか,というのは『安楽椅子探偵』を楽しみにした世代にはわかる「出来事」と「真実」であるが,私たち日本人は『カメ止め』でそのもっとも成功した映画をみています.『あした…

『ドライビング ミス デイジー』数十年ぶりに見て

『ドライビング ミス デイジー』1989,米私のすまいのテレビはデジタル放送以降みれなくなっているのでときどきくちかけた実家で見ます.**昔,近所のレンタル屋で借りてみた作品.当時,私は,ヨーロッパ映画をみにいき,テレビでは,深夜の水木の映画番組…

元気なこどもたちの映画『ラストサマーウォーズ』

2022年『ラストサマーウォーズ』宮岡太郎監督先日.テレビでやっていたので,みました.元気のいい子どもたちがいきいきと演じていました. ストーリーはあっさりめ. 白黒テレビ時代を思い出す.チャコちゃん,とか. だからこそ,ですが,カメラや演出をも…

少年のころの記憶『永遠の0』---なつかしい戦記

岡田准一『永遠の0』山崎貴監督,2013はじめてみたが自分の小学生のころを思い出しました.厚紙でつくられたグライダーのようなものが駄菓子屋にうっていて10円で買います.先っぽに鉛がついていました.それが,日本機であったり,アメリカ機であったりす…

キム・ギドク『アリラン』――生きるための映画

山小屋のキム・ギドク『アリラン』2011年,韓国『絶対の愛』(2006) 『嘆きのピエタ』(2012)『The NET』(2016)が,同じ監督だとは気づいていなかった.そもそも,他人の名前を憶えられなくなっているしましてや外人の名前は覚えられない.『アリラン』と4作見…

『SP:国家情報局 ミスター・ZOO』

イ・ソンミン『ミスター・ZOO』2020年,韓国中国からの親善大使ミンミンが誘拐されます.シェパードのアリと動物嫌いの国家情報局のチュ(イン・ソンミン)が救出に成功するまでの物語.映画としては,ファンタジーでこども向けの健全なサスペンス. イ・ソ…

現代の不安ーー北川景子の『スマホを落としただけなのに』

中田秀夫監督『スマホを落としただけなのに』2018年,東宝われわれ大阪人が「北川景子」といえばまず思い浮かぶのはそういうあなたは北川景子さんではないですか!ーーーゆるしましょう!のあき恵ねえさんではないでしょうか.彼女が,現在もこのネタをやっ…

大泉洋の『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』

前田哲監督『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』2018,松竹名前も知っているし,顔も思い浮かぶ.wikipediaをみると実際に,見たことのあるテレビ番組や映画は思い当たらなかった,けど有名な人であることを認識していた.つまり大泉洋という人のことを…

谷崎潤一郎『細雪』--文学史の重要作品,らしかったから.

谷崎潤一郎『細雪』(新潮文庫,上・中・下)私が読んだのは1979年にもらった新潮文庫の3冊.それから何度も,読んではみるのですが,3ページくらいで,断念してきました.***44年すぎて,自分の終活の最重要事項が本の始末.買ったままで読みもしなかった上…

女優イ・レ主演『犬どろぼう完全計画』

『犬どろうぼう完全計画』2014,韓国低予算であるだろうがしっかりと練られた作品. 『犬どろぼう完全計画』のイ・レ(中央) 3人のこども中心に名優がわきをかためています. 『犬どろぼう完全計画』のホームレス(チョン・ミンス) キム・ヘジャ:金持ちの老…

山崎豊子原作の映画(2) 『沈まぬ太陽』日本にも労使交渉があるはず

渡辺謙と三浦友和『沈まぬ太陽』2009, 角川映画202分の大作.長い感じがしなかった. 『沈まぬ太陽』国民航空の労使交渉,副委員長の三浦友和と委員長の渡辺謙 14年前の日本映画にこのような社会的な姿勢--山崎豊子作品を映画化できる意欲があったことを示す…

『国際捜査』--豪華キャスティングをのりこえたおもしろさ

クァク・ドウォン主演『国際捜査』2020,キム・ボンハン監督韓国映画ではあるが,ほぼフィリピン(らしい).ソン・ヒョンジュ,#キム・サンホ,クァク・ドウォン,チョ・ジェユン,#シン・スンファン,キム・ヒウォン,キム・デミョン, 『國際捜査』これだ…

『白い巨塔』―――山崎豊子の心意気

山崎豊子『白い巨塔』(新潮文庫,全5巻)医療小説『白い巨塔』は,昭和40年代前半の作品であり,設定は昭和39年からの2年半.私は,田宮二郎をみるべきだったが端役の人だと勘違いしていて有名なテレビドラマをみなかった.***唐沢寿明版(2003)は,1,2本みて…

NHKの『スパイの妻』――フィクションにみえる歴史

黒沢清監督『スパイの妻』2020,NHKふるい友人からすすめられて見ました.タイトルからぼんやりとゾルゲ事件のようなものを想像していました.**1940年の神戸. 『スパイの妻』貿易会社 貿易商の社長の福原(高橋一生)が満州にいき戻ってきてからの変化に妻…

日韓関係の参考書---池上彰はジャーナリストか?

池上彰『韓国のホンネ』(朝日新聞社,2019), 池上彰,「池上彰スペシャル!」制作チーム(文藝春秋,2020)韓国映画と韓国ドラマがだんだんおもしろくなっていて2019年ころから韓国(朝鮮)の歴史と現代社会についての本を何冊か読んで,参考書にしてきた.***世代…

jazzから遠く--エリック・ドルフィー『ラスト・デイト』

Eric Dolphy, "LAST DATE", 1965ききだして,あっ,と思った.これは,私がイメージする現代のジャズで坂田明やタモリがテレビで活躍していたころ耳にしたたぐいの音楽だ. Eric Dolphy, 'LAST DATE' しかし,たぶん聞くのは初めて.**エリック・ドルフィー…

『コンビニ人間』――どこにでもいる自分

村田沙耶香『コンビニ人間』(文春文庫)昨年,ラジオでなぜか芥川賞受賞のころのインタビューのようなものをきき,読みたいと思いながらも忘れていました.偶然,書店でみて思い出しました.2016年,芥川賞受賞したというのだからそれにまったくついていっ…

『コンフィデンシャル/共助』--兄貴分と弟分ー男の世界

『コンフィデンシャル/共助』2017(Gyao)北の刑事チョルリョン(ヒョンビン)と南の刑事ジンテ(ユ・ヘジン)が,お互いをあざむきながらもやがて信頼関係をきずき,それぞれの危機を救う,というバディー・コップもの. 『共助』南の刑事(ユ・ヘジン)と北…