『海霧』韓国2014
廃船やむをえない古い漁船の雇われ船長カン（キム・ユンソク）が，
ボロ小船をじぶんで買い取るために
中国からの朝鮮人密航に手をだす．
密航者に，2人の女がいて，若い船員3人の欲望を刺激する．
海洋警察船が近づくので，密航者たちを魚艙につめこむ．
危機がさったあと，鉄蓋をあけると全員動かなくなっていた．
フロンガスによる窒息死．
船長は，船員に死体を甲板にあげ，出血させ，
魚の餌になるように，切断するよう命令する．
もっとも若い船員ドンシクが，あたたかい機関室にかくしていた
若い方の女ホンイ（ハン・イェリ）は，
死ななくてすんだが，船員たちが，死体を切る現場を目撃していた．
老機関士ワノが
自分たちの残虐な行為への罪悪感にさいなまれ，
妄言のように船長を非難する．
船長はワノを殺し，ひそかに海に投棄する．
機関室に隠れていた
ドンシクとホンイは船長の行為を目撃している．
若いリャンウク（イ・ヒジュン）は，女への欲望だけで
ホンイをみつけ，追いまわし，
船長は，女を殺せと命令する．
ドンシクは，ホンイをすくうために
船を破壊．沈没してゆく．
船長はいかりの綱にからまり，沈んでいく．
2人は浜に打ち上げられたが，
ドンシンクは虫の息．
気付いたときには，ホンイの足跡だけが残っていた．
6年後，建築現場からの帰りの夕食の
飯屋で，ドンシクは2人の子に食べさせる
女の後ろ姿をみとめる．
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映画前半の漁船での登場人物たちの
リアリティは圧巻．
また，短時間で，船長，船員5人の
人物の特徴や古漁船の問題
を描きだす力は，どの方向にでも
物語をひっぱっていけるし，
ひとつの焦点にむかっているともいえる．
