『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも恐れた男』監督,ラース・クラウメ,2015,ドイツ
(Gyao)
Gyaoでこのような映画を無料で見れるのは
コマーシャルが入ってきてもありがたい.
ヨーロッパや,アジア,インド,アラブの映画を
もっと増やしてほしい.
邦画やアメリカ映画は多すぎて
選べないので少し減らして.
(感想)
戦後のドイツで
検事長がどれだけ権限をもっているのか
だけではなく,
フリッツ・バウアーという人さえ知らなかった.
驚くのは,
2015年であっても
まだ,ナチスをもってしまった
歴史を
振りかえる映画がつくられている
ということ.
戦後処理はしっかりしているのか.
戦争責任を繰り返し繰り返し
自分自身に問いかけていくこと.
原題は『国家 対 フリッツ・バウアー』という意味らしい.
検事長である初老のフリッツ・バウアーは
ナチスの残党が枢要な権力をにぎっている戦後ドイツで
海外に逃亡しているアイヒマンを捜そうともがく.
彼が,ユダヤ人であること,
戦中,ナチスに屈服したこと.
そして,
男娼を買って被告となったこと.
この問題は,個人の問題ではあるが,
ドイツの歴史の問題でもある.
バウアーひとりでは
権力に対抗することはできない.
ドイツ国家はアイヒマンを逃がせるだろうから
イスラエルのモサド(諜報機関)と連携するしかない.
若きアンガーマン検事は,
バウアーから何を学びとるのだろうか.
2018年に『ゲッペルスと私』をみたとき,
ドキュメンタリーであったが,
インタビューでこたえていた内容が
用意された作りもの感があった.
それに対しこの『国家 対 フリッツ・バウアー』は
役者が演じているにもかかわらず
リアリティがあった.