キム・ヘス『私が死んだ日』と『ひかり探して』
『私が死んだ日』の
上映館を昨年末から探していたが
2020年の映画なので,
見逃したと諦めていた.
しかたなく同じキム・ヘス主演の
『ひかり探して』を第七芸術劇場までみにいった.
パク・ジウワン監督という
若い女性の作品.
低予算映画であるはずなのに,
みていると
名優のしぶぞろい.
離婚調停中の女性刑事が
孤島での少女の自殺の
確認捜査を続けていくことで
彼女が自身が共感し,
自分自身の世界を変えつつあることが
感じられる演技.
単純なプロット,
あっと驚く展開などないけれども
いつのまにか
見ている私たちの既存の世界を
照らし直している.
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ミステリーやサスペンスとしてくくってしまうと,
事件が小さすぎるし,
権力や暴力が襲ってくるわけでもない.
主役の3人の女性は,
男の作り上げた(韓国)社会に期待なんかしなくなって
いる.
じぶんの手で直接世界にふれようと
しているのだ.
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見終わって,
七芸の入り口に掲示してある
ネット記事のコピーをよんで
『ひかり探して』が
私がみたかった『私が死んだ日』の邦題で
あることがわかった.
SUMOMOという配給会社が
いっしょうけんめい考えたのが
『ひかり探して』のようだ.
原題とはまったくちがう.
しかし,『ひかり探して』には
希望の響きがあり,
まずいとは思わない.