ラウル・ベック監督『私はあなたの二グロではない』2016,
日本公開は2018ということなので,
私もそのときにみたはず.
アメリカ映画,ではないかもしれない.
ラウル・ベック監督については
『マルクス・エンゲルス』(2017,原題は「若きマルクス」)をさきに
みたような気がするが,
これはあまりおもしろいと思わない.
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ボールドウィンという作家は
名前だけ,どこかできいたような気がするが
何もしらなかった.
ナレーションの内容が
この作家の著述に基づいている
らしい.
敗北感がただよい,
映画のための創作のような気もしていた,
アメリカ社会の暴力性を
できるかぎり
めかくしなしに見せるために
これだけの年数がかかった.
私たち日本人は
抑圧された黒人たちさえ
さらに黄色人種に暴力を
ふるってしまう社会であることに
気づいている.
忘れてしまいたい日本人の歴史を
アメリカは例年,忘れまいとしている.
小学生のころ
アメリカへの憧れがあった.
アメリカによる洗脳だという人.
たしかに,
私がうんざりするほどみつづけた,
戦後アメリカのテレビドラマとは
まったくちがう映像が
この映画にはある.
中学生のときに
(南アにおいて)
日本人が「名誉白人」であることを
先生医がほこらしげに語っていたことを
記憶している.
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今年,バイデン大統領が
戦前の日系人強制収容について
謝罪した.
その,少し前には
歴代大統領と同じく
パールハーバーについて言及もした.
そして,…
もうこれ以上はならべまい.
映画の黒人たちは,
黄色い人であるかもしれない.
私たちは,
世界をよりよく把握する作品を
もっと必要としている.