『バッドガイズ2~悪の都市~』2017-18
乱闘シーンと銃をもちいたない殺害が
鮮烈なアクションドラマである.
いつ誰が死んでもおかしくないくらい
がんがん殴られ蹴られる.
動けなくなり捕まってしまえば
死のぎりぎりまで
暴行をくわえられる.
さっきまで信じていたのに
尻尾きりで殺される.
財力=権力の腐敗による
社会の悪が,想像力の許す限り
描かれている.
警察,検察,地方自治体,政府…
**
日本の政治が,つまるところ
国民の税金をどこに流すかを
きめていることに
あらためて気づかせてくれる.
警察や検察,市議会は誰のために
あるのか.
**
暴力団が独立している
わけがない.
市民をまもる警察官が
組織でうまくやっているはずがない.
検察官が自分の倫理観を
守れるはずがない.
良心的な弁護士が
裕福なはずがない.
テーマは暴力.
これは対話ドラマともいえる.
検事と捜査官
地検長と検事
財閥の会長と検事
部長検事と捜査官
現役検事と元検事
・・・
ドラマはそもそも対話劇だと
としても,
『バッドガイズ2』でなされる
しつこいほどのやりとりは,
ストーリーを進めるためのもの以上に,
いま生きる社会の根本にある
元凶を浮かび上がらせようとしている.
**
ヒョンスン・グループ会長のチョ・ヨングクが
ソウォン地検部長検事にたいしている.
「…この国の法律でしょう?
貧しい者が人を殺せば殺人
金持ちが殺せば正当防衛
貧しい者が女に手をだしたら強姦
金持ちが手をだしたら合意の上の情事
貧しい者が居すわったら不法占拠
金持ちが居すわったら所有権の行使
今の時代は罪は犯すのではなく
創るんです
検察官もご存じでしょう?」
自分の正義や倫理観が
立場=権力の作用で
変質していく.
本人は気づいているけれども
それはつねに現実であるからこそ合理的
にゆがめられてしまう.
**