たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

サリンジャーのような『ライ麦畑の反逆児』

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』2017, 米

Gyao

私たちの世代の日本人にとっては
よい映画として心に残る作品.

ライ麦畑の反逆児 サリンジャー



野崎孝の『ライ麦畑でつかまえて』の
粋な装丁と,現代的でかっこいい翻訳を
読んでしまったから
それ以降の日本人の人気小説がその亜流でしかないことが
わかってしまう世代.

作者のことはいっこうにわからなかった.
1枚の白黒写真がどこかにでていたくらいで
マスコミや都会をさけ
世捨て人のように生きているらしいことが
知らされる程度だった.

テレビの洋画番組で
『コレクター』(1965)をみて
The Catcher in the Rye』が
登場人物のカギとなっていることにおどろきもした.

***
映画『ライ麦畑の反逆児』は
ホールディンを
作り出したサリンジャーの内面に投影して
小説家の創作と孤独を描いている.

読む人間だれもが
じぶんの内にホールディンを
見出してしまった.

しかし,サリンジャー
じぶんのために書いていたのだ.

ライ麦畑の反逆児

私たちは,
作家の書くという作業が
生き延びるための唯一の手段であるとき
世界に影響をあたえた傑作がうまれることを
目撃する.