『僕らの青春白書』2014,韓国,イ・ヨヌ監督
(Gyao)
井筒監督の『岸和田少年愚連隊』1996をみたとき,
若い暴力の鮮烈さに驚いた.
この「青春白書」は,
高校生の恋愛と暴力の流儀を描いている.
登場人物の設定で
見る者が想像し,予想することで
つぎの瞬間に不安をいだき,
若さを甘受していく.
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主人公(イ・ジョンソク)は
クラスのかわいい女子を
順にものにする農業高校生.
1982年.
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日本は,バブル以前であり
不景気かならぬけだせず,
有効求人倍率が0.7程度までおちこんでいて,
軍事政権下の韓国人の生活なんか
想像もしなかった.
岩波の『韓国からの手紙』が古本屋の
外のかごに混ざりだしていた.
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驚くことに
かなり似ている.
ほぼ同じような青春.
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私の青春は,華やかさとはいっさい無縁ではあるけど,
井筒監督の『パッチギ』の時代から『岸和田少年愚連隊』の時代
のあとに
この韓国の『青春白書』が続いているような気がする.
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映画のように自由な青春をすごした老人も
多いだろうし,
私のように青春らしからぬ貧しい生き方だった老人も
多いだろう.
しかし,この映画の中だけでも
私たちの若かった思いが
後悔しながらも
よみがえってくる.