たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

『ありふれた悪事』ーふつうの人であること.

ありふれた悪事』2016

現代の韓国映画には
民主主義をかちとってきた民衆の姿を
描いたものがいくつもある.


ふつうの人が
命をかけて対峙している相手は
権力である,ということを
はっきりと私たち日本人に教えてくれる.

私たちが守るべきものは
政治的な国家ではなく
じしんの愛する人々でしかない.

ありふれた悪事

なぜなら
国家は権力=悪が包んでいるからだ.

**

ありふれた悪事』これは
3回みた.

 

軍事政権下の3人の男が中心人物;

刑事のカン(ソン・ヒョンジュ)
新聞記者チュ(キム・サンホ)
国家安全企画部ギュナム(チャン・ヒョク

が,この世界の構図を示し,
それぞれが
ひとりでその社会性を表現している.

とくに,
チャン・ヒョクの国家安全企画部の
エリート室長は
ことさらおさえた演技で,
権力の論理のぞっとする力を増幅する.

 

**

言論弾圧は,
「今」の私たちの状況でもある.
(げんに私たちは,
正直に内面を語ることはしないではないか,とでも
耳元でささやかれるのだ)

実際,ジャーナリズムは分厚いマスクをかけているし,

警察の暴力はつねに国民にむけられている.

チャン・ヒョクとソン・ソンヒョンジュ

韓国ドラマや映画はジャーナリズムと権力の
関係を疑いながらも
ぎりぎりのところで,
その民主的な役割を信頼している.

ありふれた悪事




これは,日本の大企業である商業ジャーナリズムの
立場とはまったくちがう.
(私がわかかったころは
新聞社も民衆のほうをむいていた)

韓国の人々はまだ,検察やマスコミを
信頼しているのかもしれない.
※ドラマ『操作』は,つぎの段階をみとおしている.

ありふれた悪事

いや,私も若ければ
よばれれば
ほいほいとついていく犬にちがいない.

**
キム・サンホの新聞記者は
信念をその眼光にも表していて
さいごまで,
親友のカン刑事をおもいやる.
それは弱者の悲しさであり,
生き方である.

ありふれた悪事 親友のジャーナリストと刑事

これはけっして底辺のひとびとの
話ではない.

ふつうに野心もあり家族と友人を愛した
権力の手先の男の人生なのだ.

ソン・ヒョンジュ演じる刑事が
私じしんであるかのように
歴史を歩んでみせてくれる.

女房役のラ・ミラン セリフはない