たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

『御法度』の大島渚―状況の描写

大島渚監督『御法度』1999


(テレビ)


私は大島渚をリアルタイムに
信念の「名監督」として認識していた世代です.

「世界進出」して真の大監督となったころからの作品は
あまりみなくなっていき,

いつのまにか
朝まで生テレビ」(1987-)のタレントのように
思っていました.

wikiでみると,その間ほとんど
映画をつくっていない,
映画産業の減速期のようです.

**
『御法度』は大島渚ということで
みました.

『御法度』

新選組の隊士たちの男色がテーマ.

松田龍平演じる新入りの加納惣三郎は剣の達人であり,
妖艶なムードを漂わせています.

男たちだけで食べて,寝て,命をかける隊士たちの
なまなましい「性欲」は
若い加納にむきます.

近藤勇崔洋一)と土方歳三ビートたけし)は
加納が「衆道」の風をもっていることに
気づいていました.

隊の士気が乱れ,
加納をめぐる男の事件が連続します.

誰を罰するべきなのか.

***
大島渚のいくつかの映画は
日本社会でのタブーそのものを
描いて見せます.

「男色」は日本文化なのか
ギリシャ文化以来の普遍的な人間の行為なのか.

大島渚は,ぽんと状況を提示してみせるだけです.

解明されることはありません.


『御法度』

※映画での時間の流れはありますが,
因果や心理状況などの説明不要な耽美的なストーリーなので
大島渚ニュートラルな立場にあります.
イ・ジュンギ主演『王の男』は王権と芸能のドラマをむすびつける悲劇的な要因として
「男色」を描いていました.

https://blog.hatena.ne.jp/takenoyu/takenoyu.hatenablog.com/edit?entry=4207112889897491528