『ソウル・ステーション』2016，アニメにできること．
（Gyao）
アニメ映画は日本が最高水準だということで，
『もののけ姫』以降
見なくなっていました．
韓国アニメ『ソウル・ステーション』は，
コン・ユとマ・ドンソクの『新感染ファイナル・エクスプレス』の
「前日譚」であり
Gyaoで無料なので
みました．
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はじまってすぐ気づいたことは
アニメでこそ可能なこと．
―主役が「美男美女」「有名人」でなくとも
じっくりみることが
できる，ということです．
恋人ギウンに売春させられることに
いや気をさした若い女性ヘソンが青年と
わかれるところからはじまり
ソウル駅近辺でどんどん増えていくゾンビの群れから
彼女を救おうとする
ギウンとヘソンの父の脱出劇．
私は，
映画では日本は韓国や中国に
もはや追いつけないとあきらめています．
アニメはディズニーにくらべれば
ジブリのほうがましで，
日本はアニメに力をいれるべきだという説を
信じていました．
しかし，韓国のこのゾンビアニメには
ふつうの人の側にたった世界観があらわれています．
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ソウルのホームレス，それを支援する診療所・シェルター，
ネットカフェ，ネットによる売春，
現場を理解せず上部の指示にしたがうのみの軍隊．
ヘソンがたどりついたところは
ゾンビから逃れてきた人々が
築いたバリケードでした．
困っている人に手を差し伸べるのは
その苦しみを理解できる人だけなのです．
国家＝軍隊・警察はそのバリケードを
民衆の「暴動」としかみません
ゾンビという問題点をみることをせずに
市民が必死で積み上げたバリケードを
許さず
制止命令をだし攻撃するだけ．
たかがゾンビもの，です．
しかし，そこには
世界中の都市がみすててきた
人々の生活があります．
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「ゾンビ」は誇張された現代的ニンゲンです．
下層の人間どうしが，
より弱い獲物にくらいつきます．
『ソウル・ステーション』に
大阪や東京はむかっているのでしょう．
私たちは，どんどんどんどん
周りのニンゲンとの接触をさけ
うまい話しにとびつき
犠牲になっている人々の惨状から
目をそらし続けています．
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このアニメ映画は
終盤，驚くべき展開をみせます．
情緒的なシーンさえも
むだではなく伏線となり
物語をくみたてていきます．
【追記】
私は，漫画，アニメの60年代黄金期の
世代ですが，
いまは
『進撃の巨人』
を第一とします．
