ソフィア・ローレンの『ひまわり』1970
この映画は
見ていないはずだけれども
みたようなシーンがあるのは
若いころテレビでやっていたのを
最後までみなかったのかもしれない.
たしかに「悲恋」ものの洋画には
興味がなかった.
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先月だったか,
近所の公民館でリバイバル上映(900円)されていて
ネットでみたら
今次の紛争で
ウクライナをロケ地とした『ひまわり』が
話題になっているらしい.
おそらく,かなり先輩の
かたがたが,思い返されていらっしゃるのだろう.
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イタリア映画に親しみを覚えるのは
ふつうの人々の人生を
映し出すことで,
作品に世界観をあたえていることだ.
これは日本映画やハリウッド映画には
少ない.
ムッソリーニが権力を握る一方で
国家の犠牲になっているのは
力も金もない人々であった.
徴兵忌避に失敗した新婚のアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は,
ロシア(ソ連)に派兵される.
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戦後,スターリンが死んでも
生死不明のアントニオを
白髪まじりのジョバンナ(ソフィア・ローレン)は
じぶんで探そうとソ連を訪れた.
真実を探し続ければ
さらに
悲しさや,厳しさに
ぶつかることは
直感的にしっている.
それでも,
生きていくためには
確かめなければならないことが
ある.
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イタリア映画にある庶民の悲しみは
わたしたちに
世界を見る目をあたえてくれる.
日本でも,
現実をしっかりと描いた映画は
可能なはずである.