『オペレーション・クロマイト』2016,韓国
(Gyao)
朝鮮戦争のことは
小学生のときに「朝鮮特需」で知った.
しかし,それから何十年も忘れていて,
チャン・ドンゴンの『ブラザーフッド』2004
をテレビでみて,改めて知った.
政治により人々は分断され,
靴職人の兄と弟は
自分たちにはわけのわからないような
戦争にまきこまれる.
*
それから
朝鮮戦争を題材にした映画を数本みて
何となく,理解している.
**
無料のGyaoで『オペレーション・クロマイト』は
何度も配信されていたが,
戦争アクションものをあまり好まないのと
カタカナなのでハリウッド風かと
誤解していた.
原題が『仁川上陸作戦』.
朝鮮人民軍の南進をはばむため
「連合国軍」のマッカーサーの企てた
仁川(インチョン)への上陸奇襲作戦,
「オペレーション・クロマイト」.
そのおぜん立てをした韓国軍の特殊諜報部隊が
人民軍に潜入し,
仁川の機雷配置情報と
灯台を奪取するまでのドラマ.
北朝鮮が「解放」した仁川には,
南朝鮮の家族が残されている.
人民軍に協力しなければ
「人民裁判」で処刑されるしかない.
北の部隊長を偽装して潜入する
チャン・ハクス大尉(イ・ジョンジェ)の諜報部隊.
彼らは,それぞれ事情をもつがゆえに
命をかけ
マッカーサーが熱望する
「機雷配置図」と灯台の灯りを
めざす.
たたかっているのは人々でしかない.
マッカーサーやヴァンデンバーグは
議論するだけだ.
直接,批判的に撮られてはいないが,
どうも人間的であるほど
権力の滑稽さと
闘わされ,殺される兵士の悲惨さが
きわだってくる.