キム・ヘスの『シグナル』2016,韓国
(Gyao)
このドラマがどのくらい面白いかというと
日本で,
2018年(10回),
2021年劇場版
がつくられていること,
そのたびに,
オリジナルである韓国版(2016)が
さらに評価されてきたこと
で,裏付けされます.
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また
テレビドラマとして
突出して優れていました.
日本版が
設定,ストーリー,
セリフ,
カメラワークなどほとんど
韓国版を
そのまま移植しているのです.
翻案しがたい
魅力があるといえます.
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過去と現在,
そして現在に直結する未来が
錯綜する「タイム・パラドックス」の
主要な論理的矛盾や課題が
おりこまれ,
見ている者に
つぎつぎと
記憶や過去の選択の
結果である〈いま〉についての
思いじたいの不確かさを
示していきます.
〈過去〉を
表現する方法として,
『シグナル』では,縦横の拡縮を縦長にし,
昔のフィルム映像をブラウン管テレビ風に
ことさらさいごまで加工してみせます.
思い出を白黒かうすい茶色をかけた〈過去〉は
映像をみなれた
現代人の
私たちには「思い出」のようにうつるところを
やや異なる1つの「パラレル・ワールド」らしく
うつるのです.
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若きパク・ヘヨン警部補(イ・ジェフン)が
プロファイリングにより
いりくんだ事件の謎を
解明してくれるのですが,
その状況と語り口が
ミステリードラマとして
まったく新しいものでした.
時間の流れの中で
考えていくのです.
見ているのか
私がいっしょに考えているのか
混同し
緊張を強いられます.
過去の世界にいるイ・ジェハン刑事(チョ・ジヌン)と
現在の自分とが交信することじたいで
そのあとの過去が変わっていきます.
脚本,編集も秀逸で
ミステリーファンとしては
のがせない,謎解きが
いくつもあります.
私が
いちばん,あっと思わされたトリックは
ガストン・ルル―の密室犯罪のトリックを
もっと実際的に応用したものでした.
しかも,散漫ではなく
作品として一つにまとまっていきます.
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私は,2回目でやっと流れをつかみ,
今回で4回.
小道具などにも
細かい伏線がある
最後まで手を抜かない作品です.
【追記】
1回目みたときに,
紹介記事で
スタジオ・ドラゴン
の企画とあった記憶があります.
が,
最近のネット記事では
その辺がよくわかりません.
『シグナル』は2016年の1月なので,
2015年の企画なのでしょうか.