チェ・ミンシクの『ザ・メイヤー』2017,韓国
(Gyao)
10年まてば
日本でも
このような映画があらわれるだろうか.
いまのところ,
社会あるいは人間の世界をあぶりだす力は
韓国の方にあり,
それはおもしろい.
ソウル特別市というらしいが,
「特別市民」という用語はあるのだろうか.
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主演チェ・ミンシュクが
3期めをねらう現職市長を演じ,
全体のストーリーをおうのが
選挙広報担当に着任したキヨン(シム・ウンギョン)
である.
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ソウル市長ジョングは
目に見える権力の中心であり,
民衆に訴える力と
その演出のカンが鋭い.
彼は,
参謀であるヒョクス(クァク・ドウォン)
の現実的な選挙戦とかけひきと
じぶんの信念を抱くキヨンの演出を
巧みに利用して,
支持率を回復させていく.
選挙で勝っていくいくということは
こういうことだったんだと
気づかせる.
韓国であろうが,アメリカであろうが,
に本であろうが,ロシアであろうが.
権力に近づいていくとは
じぶんの信念を大きく変えていくことでしかない.
俳優の顔や動きが,生の政治家たちに
みえてくる.
チェ・ミンシュクは権力に
ひたりきっているし,
肥ったクァク・ドウォンには
寛容性が欠如し,
シム・ウンギョンの輝いていた顔が
暗い若者の顔になっていた.
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政治映画は今までのところ
日本ではむりである.
権力のやりとりが
個人の資質や能力の差でしかなく,
私たち民衆が
政治をつかみそこねているからだ.