たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

『おんぶ』男は父親となりうる?

チェ・ジョンハク監督『おんぶ』2017

 

(駐大阪韓国文化院「大阪韓国映画祭」)


主演については
チョン・ジュノ」という名ではなく
ずっと『オクニョ』の「ユン・ウォニョン」と
おぼえてきました.

宮廷で権勢をえているのに
妻ナンジョンにはかなわない,
悪役でありながら,
人柄の良さがみえる「いい役」でした.

『おんぶ(予告編)』 父と子

『おんぶ』というのは
借金で買った自分の漁船の名.
ジョンボムは妻を失ってから
息子ノマを育てています.

会社から
借金がかえせなかったら
船を回収するといわれ,

40代半ばの弟がいて
20歳の中国人と結婚したいといいだしました.

『おんぶ(予告編)』 こどもたちの社会

ノマは転校生に恋心をいただきます.

こどもの社会は現実の大人の社会と
複雑にからまり混在しているのです.

**
家族を描くコメディは
映画一本では,ドタバタでおわったり,
ご都合主義な決着がひどかったり
しんみりしなかったり,
難しいと思います.

10本,20本のテレビドラマなら
私たちがじわじわその世界に
ひきずりこまれていって,
登場人物の心のうちをのぞいた気になるものです.

これは,家族の映画ではあるのですが
主役の中年をすぎたジョンボムの父親としての
成長を描くことで,成功しています.

『おんぶ(予告編)』 チョン・ジュノ


現代韓国だけではなく日本でも
ひょっとしたら残っているかもしれません.

「長男」の人生に
ついてまわる責任ーー

けっして言葉にすることさえ
思いつかないような人生を
くらしている男がいるんだろうな
と思い至ることのできる映画でした.


 

『おんぶ(予告編)』 母なる「おんぶ丸」と父親の姿