たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

『長沙里9.15』忘れられた英雄たち

キム・ミョンミン『長沙里』クァク・キョンテク監督、キム・テフン監督,2019

おぼえておくべきことと
繰り返し思い出すべきことと
どちらが
歴史の記憶として
私たちの身体にのこるか.

『長沙里』は朝鮮戦争
仁川上陸作戦のための
陽動作戦を描いた映画.


日本人の記憶のひとつとなりうるのか.

『長沙里』学生兵 

マッカーサーの仁川上陸作戦(9.15)を成功させるため
別方面の長沙里に大隊を上陸させ
朝鮮人民軍を陽動する.

【参考】仁川上陸作戦はイ・ジョンジェの『オペレーション・クロマイト

その特殊任務の大隊は
少数の兵と
772名の学生兵により編成されていた.
率いるイ大尉(キム・ミョンミン)でさえ,
後方部隊経験しかない.

武器や食料,上陸用のボートさえも不足のまま
作戦は遂行される.

『長沙里』銃をかまえる学生兵長(チェ・ミンホ)

史実に基づいていて,

驚くべき展開はない.
しかし,さけてほしい
悲劇にいたる.

殺し,殺されることなど
想像もしなかった学生たちが
突然,不十分な武器と食料をわたされ
上陸させられ,
北軍のトーチカを攻撃する.

味方の学生たちも死んでいくが
自分が殺しているのも
北の少年兵だった.

『長沙里』朝鮮人民軍の若き兵士

米軍の指令のもと
朝鮮半島の若者たちが
いとこどうしが
殺し合いをする.

米軍兵士は指令室にいた.

『長沙里』若者たち勝利の雄たけび,大尉は戸惑う

国家を分断するために
戦わされた学生たち.
彼らは,誰を殺していたのか.
お互い,
殺す必要もなければ,
殺される覚悟もなかった.

**
これは,おもしろい映画というより
史実を記憶しておこう,
思い出してください,
という映画である.

私たちは,他国の戦争であっても
同様の歴史の記憶をもっている.

ささやかに生きたいだけだ.

そのために
大勢のひとたちが
不本意に殺されてしまう
戦争をわたしたちの記憶としてとどめておきたい.

『長沙里』戦友の母親がくらす村