12:20すでに父と弟は病院にいた.
久しぶりにあった弟はいとこの10年前に似ていた.
ICUのスタッフステーション
受付カウンターで,面会の申し出をするが
今日もまた入院患者の一覧が見当たらないようだ.
こちらから名前をいっても,
もたついている.
パソコンではない.
ICUの個室にいる
母の意識はない.
2つの尿の袋には
血が入っている.
昨日の状況を弟からきく.
一昨日,われわれ夫婦と父が帰った後
容態が悪化して,手術がなされたらしい.
父と弟のふたりが昨日きたときは
最悪の状態だった,と.
重篤な状態
弟が担当医をよんできて
長い説明をしてもらった.
リューマチの進行をおさえるための
ステロイド剤によって
免疫がなくなっていたことにより,
血漿も機能していない.
切り口もふさがらない,と.
私が,
それは敗血症ということですか,
一昨日は輸血より血清剤の方がいい,
輸血は最悪の場合にする,とうかがったが.
敗血症です.
敗血症ならほぼ死ぬと説明された,
もうもたないのか.
すべての手はつくしたので
後は本人しだい.
重篤な状態です.
わからないので
3人で久しぶり,
15年か20年ぶりに短い話をした.
説明では,わからないということ.
親戚に知らせるか,
弟の仕事の日程.
とにかく弟には
万が一のため,東京にもどって
仕事の調整をしてもらう.
父は母のきょうだいのなかの
長姉に電話をして
治療中で見舞いはできないが,
入院していることを知らせる.
その担当医によると
主治医は4:30まで手があかない.
まっているわけにはいかないし
同じ説明だろうから
帰ることにした.
帰ろうとすると
ICUを出ようとすると,
担当医があわててこられた.
部屋にもどり,説明をするとのこと.
母の右腕について,
点滴をしていたが,
免疫力がなくなっていて
菌に感染したようすで,炎症をおこした.
おおきくどす黒い斑状になっている.
この大静脈は,もう機能していない.
ほかにも血管があるので,
全身には影響ない.
点滴は首に3本でいっぱいであり,
他に点滴できる場所をさがす必要がある.
全身に影響がないということは,
腕の機能がなくなるということですか.
そういうことでもないが.
医者まかせでしか
私たちは,何の知識も力もないので
医者に頼るしかない.
あわてて,右腕のことを説明されても
内容がわからない.
敗血症にならないように
いそいで切開して,治療をはじめたのに
敗血症になっているし,
手をつくしたので,本人しだいといわれ
見通しもたたない.
医師たちは,私たちに練習をさせているだけなのだろうか.
この人には手をつくしたから,
もういいではないですか,と.