たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド(二)』ーー青春があるとすれば

石塚裕子訳『デイヴィッド・コパフィールド(二)』母の再婚相手とその姉の虐待のわなから逃亡したデイヴィッド・コパフィールド.金銭を奪われ,服をうり,浮浪児同然で伯母の家にたどりつく. 『デイヴィッド・コパフィールド(二)』岩波文庫 伯母は読者…

「8th 大阪韓国映画祭(2022.9.23-25)」--家族のかたち--問いかけ

駐大阪韓国文化院の「大阪韓国映画祭」9月韓国映画(社会)の問題意識なのか,あるいは韓国文化院のスタッフの選定眼ともいえる, 『マリムさんをお願い』『2037』『おんぶ』『カシオペア』『子供のための子供』この5本を選んで,大阪の人間にみせる「大阪韓…

宮崎あおい・堺雅人『ツレがうつになりまして』

『ツレがうつになりまして』佐々部清監督, 2011(実家のテレビ)ハルさん(宮崎あおい)堺雅人(ツレ)大杉漣(実父)余貴美子(実母)日本の医療は,先進諸国においてはおくれているということ,とくに精神医療についての一般人の理解がまだまだこれからと…

小さなドラマ『完全犯罪~ある老人の生き方~』がみせる現在

チョン・ドンファン主演『完全犯罪~ある老人の生き方~』(Gyao)※Gyaoで全6話,1話が10分程度だったのでおそらく1時間程度のドラマを6つに分けて配信したのだろう.原題は「そうやって,生きる」,みごとなドラマであり短編としては「傑作」といえる.しか…

『長沙里9.15』忘れられた英雄たち

キム・ミョンミン『長沙里』クァク・キョンテク監督、キム・テフン監督,2019おぼえておくべきことと繰り返し思い出すべきこととどちらが歴史の記憶として私たちの身体にのこるか.『長沙里』は朝鮮戦争,仁川上陸作戦のための陽動作戦を描いた映画. 日本人…

宇佐見りん『推し,燃ゆ』-若さの対象

宇佐見りん『推し,燃ゆ』(河出書房新社)若い人の書く,あたらしい小説は,もう読む時間がないから,さけようと思っていました.家人のすすめの『推し,燃ゆ』.驚いたのは,文体の整い方.私たちがむかし国語でならったいい文章の見本です.**母が……クラ…

民主主義のありよう『タクシー運転手 約束は海を越えて』

『タクシー運転手』チャン・フン監督,2017(Gyao)日本公開は2018年であるから,当時映画にもあまり興味がなく,年に多くて2本みに行く程度.ポスターだったか,チラシだったかでタクシーから顔をだした男がとっても明るかったのです. 『タクシー運転手』…

『約束の地~SAVE ME2~』現代社会にある闇から

『約束の地~SAVE ME2~』2019, スタジオ・ドラゴン (Gyao) 自分の世界が大きくなるというか,平凡に生きてきた自分に理解できなかったこと,理解しようとしなかったことが手の込んだドラマで安易に納得できました.原題は「助けてくれ2」というらしいので「…

『2037』彼女たちは何を.

『2037』モ・ホンジン監督,2022(駐大阪韓国文化院「大阪韓国映画祭」)高校中退した19歳のユニョン(ホン・イェジ)が,アルバイトの帰りに強姦され,その犯人を殺してしまう. 『2037』予告編,ホン・イェジ 過剰な反撃と報復は「正当防衛」とは認め…

ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド(一)』岩波文庫

石塚裕子訳『デイヴィッド・コパフィールド(一)』岩波文庫ディケンズ(1812-1870)の1849-1850年の作.「自伝的作品」ということですが,38歳で書いていることになります.生まれたときに父は死んではいたが母と乳母と幸福に暮らせるはずの少年が,母親の…