たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

111a 日本映画

『カルメン 故郷に帰る』--高峰秀子生誕100周年

『カルメン 故郷に帰る』木下恵介監督,松竹1951かなり若いころにテレビ放映されて見たのですが,途中でやめてしまいました.50年以上たったと思います.いまみると面白い.日本初の「総天然色映画」ということ.1951年という時代(戦後6年).のことを何と…

生誕100年,高峰秀子『放浪記』--東宝創立30周年記念作品

成瀬巳喜男監督『放浪記』東宝1962年『放浪記』は森光子を思い出しますが,見たこともなかったし林芙美子のことも知りませんでした.高峰秀子生誕100周年というひかえめな風潮がなければ,高峰秀子じたいに興味をもつことがなかったかもしれません.***これ…

生誕100年,高峰秀子『喜びも悲しみも幾歳月』

『喜びも悲しみも幾歳月』木下恵介監督,松竹1957高峰秀子生誕100年ということで少し遠い映画館ではあったのですが,『二十四の瞳』を見ました.平日の昼,私の世代でにぎわっていました.現役世代はさすがにいない.ほんとうは『細雪』と『息子よ,衝動殺人…

原節子の『麦秋』,あるいは小津安二郎の『麦秋』

小津安二郎監督『麦秋』1951何度もテレビで放映されてきているでしょうが,私は,たぶん見ていない.若いころは,欧米の映画のほうが圧倒的におもしろいと思っていたので, 『麦秋』紀子の暮らす家庭 寅さんも角川も1本ずつしか見ませんでした. **黒沢,小…

天王寺おばあちゃんゾウ『春子 最後の夏』

『春子 最後の夏』人見剛司監督,2015 天王寺動物園のゾウについては知らなかったが,このゾウが死んだときは,小さなニュースになった.横や前を何十回も通りながらも数度だけ.大人になってから一度,その時はカバがおもしろかった. 『春子 最後の夏』飼…

鈴木亮平の『エゴイスト』

松永大司監督『エゴイスト』2023,東京テアトル大阪でふつうにくらしているとゲイの人をみかけることはあっても暮しで関りをもつことはほとんどない. **テレビの『昨日何食べた』は はじめはおもしろく感じたが私たちと何ら変わりない生き方を示しはするが,…

原節子の『晩春』--小津安二郎(1)

小津安二郎『晩春』昭和24年(1949)1949年を思い出すには すでに90歳くらいの人でないともう不可能でしょう.私にとっても戦後のイメージは自分のうっすらとした記憶なのか50年代後半からみてきた映画やドラマのイメージによってつくられたものなのかもうわか…

船越英二主演・市川崑監督『野火』--靴の話

市川崑『野火』1959年,大映私の記憶があいまいで混乱していて『野火』はカラーでみたようなつもり.しかし,カラーの塚本晋也版は2015年のようだから感覚では2000年くらいの作品の気がしていたから,みたこともはっきりしない.市川崑のモノクロ作品は何十…

元気なこどもたちの映画『ラストサマーウォーズ』

2022年『ラストサマーウォーズ』宮岡太郎監督先日.テレビでやっていたので,みました.元気のいい子どもたちがいきいきと演じていました. ストーリーはあっさりめ. 白黒テレビ時代を思い出す.チャコちゃん,とか. だからこそ,ですが,カメラや演出をも…

少年のころの記憶『永遠の0』---なつかしい戦記

岡田准一『永遠の0』山崎貴監督,2013はじめてみたが自分の小学生のころを思い出しました.厚紙でつくられたグライダーのようなものが駄菓子屋にうっていて10円で買います.先っぽに鉛がついていました.それが,日本機であったり,アメリカ機であったりす…

現代の不安ーー北川景子の『スマホを落としただけなのに』

中田秀夫監督『スマホを落としただけなのに』2018年,東宝われわれ大阪人が「北川景子」といえばまず思い浮かぶのはそういうあなたは北川景子さんではないですか!ーーーゆるしましょう!のあき恵ねえさんではないでしょうか.彼女が,現在もこのネタをやっ…

大泉洋の『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』

前田哲監督『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』2018,松竹名前も知っているし,顔も思い浮かぶ.wikipediaをみると実際に,見たことのあるテレビ番組や映画は思い当たらなかった,けど有名な人であることを認識していた.つまり大泉洋という人のことを…

山崎豊子原作の映画(2) 『沈まぬ太陽』日本にも労使交渉があるはず

渡辺謙と三浦友和『沈まぬ太陽』2009, 角川映画202分の大作.長い感じがしなかった. 『沈まぬ太陽』国民航空の労使交渉,副委員長の三浦友和と委員長の渡辺謙 14年前の日本映画にこのような社会的な姿勢--山崎豊子作品を映画化できる意欲があったことを示す…

NHKの『スパイの妻』――フィクションにみえる歴史

黒沢清監督『スパイの妻』2020,NHKふるい友人からすすめられて見ました.タイトルからぼんやりとゾルゲ事件のようなものを想像していました.**1940年の神戸. 『スパイの妻』貿易会社 貿易商の社長の福原(高橋一生)が満州にいき戻ってきてからの変化に妻…

『歩いても 歩いても』樹木希林のくらした家

是枝監督『歩いても 歩いても』2008(gyao) 『誰も知らない』2004『歩いても 歩いても』2008『空気人形』2008『そして父になる』2013『海街daiary』2015『海よりもまだ深く』2016『万引き家族』2018あんまり見ていなかった気がしていたが調べてみると是枝作品…

宮崎あおい・堺雅人『ツレがうつになりまして』

『ツレがうつになりまして』佐々部清監督, 2011(実家のテレビ)ハルさん(宮崎あおい)堺雅人(ツレ)大杉漣(実父)余貴美子(実母)日本の医療は,先進諸国においてはおくれているということ,とくに精神医療についての一般人の理解がまだまだこれからと…

索引 日本の映画・ドラマ 

【日本】 (あ) 歩いても 歩いても (2008) 祈りの幕が下りる時(2018) 永遠の0 (2013) エゴイスト(2023) 大奥(2006) 沖縄の民(1956) (か) 陽炎座(1981) カルメン 故郷に帰る(1951) キャタピラー(2010) キューポラのある街(1962)(1) 劇映画 沖縄(1969) …

1953年の大作『ひろしま』

体験が語る歴史の真実『ひろしま』 (Gyao)1945年8月6日,広島への原爆投下をなぜ思い出そうとしなかったのか.そもそも私にはその記憶がないし,イメージももたなかった. **映画『ひろしま』原爆のすさまじさ,それをひきおこしてしまった戦争を続けてき…

阿部寛の『祈りの幕が下りる時』

『祈りの幕が下りる時』2018,東宝,福澤克雄監督(Gyao)日本のサスペンス映画は2017年の『22年目の告白-私が殺人犯です』(WB,入江悠監督)をみてからは,すべてGyaoでみているような気がします.『22年目の告白』は,ストーリーがとてもおもしろく若い…

今村昌平『豚と軍艦』-「キューポラ」の原像

長門裕之の『豚と軍艦』日活,1961 (Gyao) 「これはすべて架空の物語である」と自慢できるくらいリアリティのある映画. 『豚と軍艦』 横須賀. 米軍の残飯を利用して養豚で大儲けをはかるやくざ達. 『豚と軍艦』の長門裕之 さんした,キンタ(長門裕之)…

吉永小百合の『キューポラのある街』(その1)

映画の記憶と記憶の映画『キューポラのある街』1962年 (Gyao)この映画には私の記憶する時代があり,私の知らなかった歴史があります.**50年ほど前,高校生の映研が視聴覚室で300円か200円でやっていました.すでに,吉永小百合は国民的大スターであり,私…

左幸子の『沖縄の民』

左幸子『沖縄の民』古川卓巳監督,日活1956(Gyao)初めて見たつもりが歳をくっているためにかなり以前にみたおぼえがある. こんな古い映画は若者どころか中高年もみたいと思わないだろう.そこをわかっていても,配信してくれるGyaoに敬意を表したい.**19…

『御法度』の大島渚―状況の描写

大島渚監督『御法度』1999 (テレビ) 私は大島渚をリアルタイムに信念の「名監督」として認識していた世代です.「世界進出」して真の大監督となったころからの作品はあまりみなくなっていき, いつのまにか「朝まで生テレビ」(1987-)のタレントのように…

あさのあつこ原作『バッテリー』2007

『バッテリー』滝田洋二郎監督,2007(テレビ)※原作は読んでいません.岡山のいなか町の中学野球部が舞台.高校生や大学生ではない,軽快な登場人物たちの若い単純な心理が,フレッシュに感じられます. 『バッテリー』 とても若い俳優たちが漫画のキャラク…

仲間由紀恵『大奥』―江戸の映像美

仲間由紀恵『大奥』2006(Gyao)豪華なロケとセット,衣装.映画がはじまると,圧倒されました. ネットで残っている,宣伝用の記事では20億とも25ともでていて,キャスティングもすごい(ということ).公開当時,私は勤めていて,週休2日制は給与カットだ…

『今夜,ロマンス劇場で』―映画の世界

『今夜,ロマンス劇場で』Gyao Gyaoは無料でありがたいし,プロジェクターでみるときコマーシャルもほとんど入らない.安物のスクリーンを襖の前にたらしているから,音響を我慢すればわりと満足している.『今夜,ロマンス劇場で』武内英樹,2018は公開当時…

ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~ 信友家の記録 

信友直子監督『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』2022,アンプラグド「ぼけますから、よろしくお願いします」の続編であるので,『~おかえり お母さん~』という副題で,どのような構成かは,予測がつく.じぶんの親類の近況を情報…

『ゆきゆきて,神軍』1987,バブル期の日本

『ゆきゆきて,神軍』1987, 原一男監督ニューギニアで生き残った工兵隊員,奥崎謙三(1920-2005)の 1982-83年の活動をおったドキュメンタリー映画.**バブル経済に移りつつあった日本にこのように徹底した思考と行動の人物がいたこと,それが映像として残って…

井上光晴『地の群れ』

監督,熊井啓『地の群れ』1970,ATG(Gyao) エンタープライズ寄港阻止の写真が挿入されているので, 現在が1969年ころの佐世保.1941年と1945年とその後が過去として映し出される.「現在」は大阪万博の時代であったがこのような映画が撮影できる町がまだま…

松田優作の『陽炎座』

鈴木清順『陽炎座』1981 (Gyao) 鈴木清順をみたのも私は出遅れていた.働くまでは,映画館にいくだけの余裕がなかったからだ.松田優作は,どっかの会館で400円くらいだったか『蘇る金狼』とか一連の作品をみることができたので,昼飯をぬいて1日みた記憶…