中田秀夫監督『スマホを落としただけなのに』2018年,東宝
われわれ大阪人が
「北川景子」といえば
まず思い浮かぶのは
そういうあなたは
北川景子さんではないですか!
ーーーゆるしましょう!
の
あき恵ねえさんではないでしょうか.
彼女が,現在もこのネタを
やっているかどうかは知りませんが,
浅香あき恵のイメージによって
「北川景子」の美貌は広まった,
といえます.
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原作は2017年,志駕晃.
映画化は2018年.
2015年ころ,携帯といえばスマホをさしていて
この2017,2018の2年間にスマホは
完全勝利をおさめました.
日本の携帯電話の独自技術が
世界に見捨てられたように思いました.
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でかけるときに
スマホをもっていないと不安になってきます.
銀行口座も
なんちゃらペイも
ほとんどが安物の携帯の中に納まっています.
電車やバスの時刻表や路線図も
携帯をみろとなっています.
(話をもとにもどすと)
2017年は,
HIKAKINが大スターとなり
多くの小中生,
youtuberを夢見ました.
当時,facebook(映画では「ソーシャル・ブック」)
は勤労者や老人の趣味のうちであり
自分の住所,経歴,写真などを
無防備にアップしていました.
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一般の素人であっても
SNSからその人の経歴,職場,
今どこにいるか,交友関係が
調べることができ
同時にそれは
大きな不安を醸成していきます.
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2023年現在では,
すでに5年前の技術であり
若干,古い感じもあるのですが,
誰ともわからない
人たちから自分の生活が
覗きこまれていることの恐ろしさ.
特に女性に対する
私たち男の邪さは
SNSの匿名性によって
無限に膨張していきます.
コメディ映画と思ってみていたら
連続殺人事件につながり
原田泰造と千葉雄大が
犯人をおいます.
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とてもよくできた
設定とストーリーで,
いくつかのしかけが
サスペンス好きの好奇心に
挑んできます.
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編集もたくみなんですが,
わりと,緊張しなかったのです.
(予算の問題でしょうが)
時間をかけて
登場人物それぞれに役柄だけではなく
社会との関りによる人間性がでてくるような
演出・演技にねりあげてほしかったです.