たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

原節子の『めし』---大阪の風景の記録

成瀬巳喜男監督『めし』東宝,1951

上原謙の映画,2つめ.

1909年生まれのこの人は昭和前期の
二枚目スターのようですが,
40代の『宗方姉妹』と『めし』だけからくる印象は
ひじょうに戦後的な男前.

彼は,
けっして確信がもてず
それでいて,
まだまだ男優位の位置にいようとするタイプの男です.

『めし』三千代(原節子)と夫(上原謙

林芙美子原作で未完.


三千代(原節子)は
結婚で夫(上原謙)と,大阪にきて5年ほどたちます.
天神の森駅周辺らしい.
現在の阪堺電車の駅の雰囲気ににています.

昭和には「ちんちん電車」の路線や駅がもっと
あったような記憶です.

 

『めし』妻の三千代(原節子

家並みはセットということですが,
ほんもののようです.

「めし」という題名から
想像することのできる
昭和の家庭がそこにはあります.

突然,夫の姪里子(島崎雪子)がころがりこみました.

『めし』夫(上原謙)の姪(島崎雪子),三千代は食事の準備


美人の三千代は若いころはちやほやされていたし
いまでも三千代をたいせつに思ってくれる裕福な知人竹本(二本柳寛)
もいます.


夫と妻という関係を
家庭内で維持することが大切なのかどうか
それは,
それぞれの人によってことなってきます.

三千代の気持ちを夫が理解することは
たぶんできません.

それでもなお
不確かながらも夫婦愛が残っていて
戦後の日本では
自分はまだましだ,と思い込むしかない妻.

社会で
ぼんやりいきる男たち.

原節子上原謙という二大スターであるからこそ
なんとなく
明るい,戦後的な暮らしを描くことができたのでしょう.