たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

221e 英米文学

ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド(五)』(岩波文庫,全5巻)--調和をもとめる世界観

石塚裕子訳『デイヴィッド・コパフィールド(五)』(岩波文庫)残念というか,こまったことに第5巻は書店ではみつからなかった.ネットでみるとそもそも第1巻から絶版.小さな書店に残っているかもしれない程度.中古で入手するしかない.※近所の図書館には…

ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド(四)』ーーー存在としての〈父〉

石塚裕子訳『デイヴィッド・コパフィールド(四)』岩波文庫私が爺さんであるからかこの物語で父親の役割と不在が推進力になっていることに気づく.主人公の不幸が父親の不在による母の再婚,継父による虐待にはじまる. 『デイヴィッド・コパフィールド』新…

ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド(三)』運命をたどること――スティアフォースとユライア・ヒープ

岩波文庫『デイヴィッド・コパフィールド(3)』石塚裕子訳 ディケンズで「ユーライア・ヒープ」という名をみたとき つかみどころのない退廃的なロック・バンドを思い浮かべた.どんな曲をきいたのか覚えていないけど,とにかく古典に由来があったのか,とうれ…

ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド(二)』ーー青春があるとすれば

石塚裕子訳『デイヴィッド・コパフィールド(二)』母の再婚相手とその姉の虐待のわなから逃亡したデイヴィッド・コパフィールド.金銭を奪われ,服をうり,浮浪児同然で伯母の家にたどりつく. 『デイヴィッド・コパフィールド(二)』岩波文庫 伯母は読者…

ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド(一)』岩波文庫

石塚裕子訳『デイヴィッド・コパフィールド(一)』岩波文庫ディケンズ(1812-1870)の1849-1850年の作.「自伝的作品」ということですが,38歳に書いていることになります.生まれたときに父は死んではいたが母と乳母と幸福に暮らせるはずの少年が,母親の…

ディケンズ『荒涼館 4』(岩波文庫) 〈完〉

佐々木徹訳『荒涼館』海外文学というかディケンズをよもうとしなかったことを後悔させる作品である.あと10年,はやく気づいていたらじっくり読むことができたろう.**岩波文庫で4巻とも500ページ,全2000ページの大作.各巻頭には「主な登場人物」のリスト…

ディケンズ『荒涼館 3』ー社会に対する苛立ち

佐々木徹訳『荒涼館3』(岩波文庫)英国の法律の大原則はただ一つ,法に携わる者の儲け口を作ることである.法の狭い曲折した道全体に,歴然と明確に一貫して維持される原則は他にない.(p.219) 『荒涼館3』弁護士ヴォールズの机 19世紀半ば帝国の繁栄のど真…

ディケンズ『荒涼館2』岩波文庫

『荒涼館2』ーこの巻だけでも読む価値あり.第2巻を読めるかどうか自信がありませんでしたが,結局,読んでしまいました.第1巻の内容をたいがい忘れていたのですが,巻頭に,これまでのあらすじがあり,登場人物のリストやだいたい流れが思い出せます. デ…

ディケンズの『荒涼館』1 岩波文庫

岩波文庫『荒涼館』1 訳:佐々木徹 耳がとおすぎた母は70代でほぼ聞こえなくなっていてそれを隠していた. 知らないうちに私が残したもと流行本を読んでいたが80になる前に,昼間でも「暗い」とくりかえし眼科も受診も拒否した.私がきづかなかった. ** 私…

創元推理文庫,セイヤーズ『ピーター卿の事件簿』

セイヤーズ『ピーター卿の事件簿』(訳 宇野利泰)文学は手に取りにくいけど推理小説ならこどものころ読んでいたので,ネットの評判のよかったセイヤーズを選びました. セイヤーズ ピーター卿 これは,ゆったりした時間を楽しめます.すでに古典的といえる…

サリンジャーのような『ライ麦畑の反逆児』

『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』2017, 米(Gyao)私たちの世代の日本人にとってはよい映画として心に残る作品. ライ麦畑の反逆児 サリンジャー 野崎孝の『ライ麦畑でつかまえて』の粋な装丁と,現代的でかっこいい翻訳を読んでしまったか…

ディケンズ『大いなる遺産』,岩波文庫

石塚裕子訳『大いなる遺産』上,下,岩波文庫,2014読んでいない,映画でもみていない物語を読み始めて,その細部まで記憶のそこにあるように感じたのはあたまがへんになっているからだろうか. **チャールズ・ディケンズの作品は中3の授業で『クリスマス・キ…

シェイクスピア『ヴェニスの商人』岩波文庫

中野好夫訳『ヴェニスの商人』 戯曲だし,なんとなく知っているから,とか古いから,とかでシェイクスピアはさけてきた.映画『ジュリアス・シーザー』を何十年もしてテレビでみてから,文庫本を読んだくらい.それ以前は,毎回,退屈で失敗.** 歳のせいか…

コンラッド『密偵』岩波文庫

コンラッド(土岐恒二訳)『密偵』死ぬまでに読んでおくべき作家をならべると,コンラッドは上位にあるにもかかわらず,読んだことがなかった.年数冊の人間だから,しかたがないといえるが,老後,無職になってすぐに「読書」に気づかなかった.**英文学概論…