たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

大泉洋の『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』

前田哲監督『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』2018,松竹

名前も知っているし,顔も思い浮かぶ.

wikipediaをみると
実際に,見たことのあるテレビ番組や映画は
思い当たらなかった,けど
有名な人であることを認識していた.

つまり
大泉洋という人のことを
名前と顔しかしらなかったが,
この映画をみて
その有名さに納得した.

『こんな夜更けにバナナかよ』大泉洋の入浴シーン

すぐに,この「鹿野さん」が
おそろしく自分と向き合い
周りの人々と過剰な交渉をもっていることに
圧倒された.

とんでもなくわがままな主人公に
「ボラ」の人たちは翻弄される.

『こんな夜更けにバナナかよ』鹿野(大泉)に注意を与える医師(原田美枝子


周りにめいわくをかけなければ
生きていけない障害者の姿は,
テレビでみる
本物の車いすの人たちの純粋な「障害」よりも
すごみがあった.

「おっぱい」をさわらせてくれ
と「ミサキちゃん」にねだる性欲は生そのもの.

そして,彼は札幌に実在した.

『こんな夜更けにバナナかよ』の鹿野(大泉よう)とミサキ(高畑充希

私の父は,病名不明のまま数か月で脚・手・首と順に
動かせなくなっていったが,
自己と周囲への苛立ちから
すでに諦めていた.

それは
家族としての私の知識と努力が
不足していたためであったが
同時に父がそれを望まなかったように思えた.

**
「筋ジスなめんなよ」と吐き捨てる鹿野には
青春もあり,数回の結婚もあり,
英検2級に合格して
渡米する目標もあった.

**
大泉洋がどのように
「鹿野さん」という役作りをしたのか
知りたい.

本人のビデオを見て研究したのだろうか.
原作を見て想像したのだろうか.
あるいは
直感的に演じたのだろうか.

尋常でない主人公を
ほんとうにそうなんだろうな,
というふうに演じていて,

ボランティアの人たちが
翻弄され続けていても
鹿野に引き寄せられていく状況が
見て取れた.

『こんな夜更けにバナナかよ』田中(三浦春馬),高村(萩原聖人),鹿野,ミサキ

翻弄されるボランティア,
北大医学部生の「田中くん」(三浦春馬)の
内省的で自分を表出しにくい性格

「ボラ」にまきこまれて
自己と鹿野
をみいだしていく「ミサキちゃん」(高畑充希
の描きわけが絶妙.