12年にしてやっと
12年前、京都にいったあと、リューマチが悪化した老母は、外にでるのをがまんし、いやがりもしました。杖、車椅子は、「カッコわるい」
この2年長い入院と、大きな手術(髪を切ったりして)、頼りにしていた父の入院・手術に直面して、介護認定を受けました。上から2つめ、といっています。
入院中、歩行機と車椅子が必要であることをケアマネージャーに強く言われたようです。それでも1年半は、病院でしか車椅子にのりませんでした。
歩けない、手が動かない。その上、補聴器をしても、聞こえにくい。
周りの友人がほとんど亡くなって、寿命を感じたのか、昨年の秋、大阪にいきたい、と80前の爺さんに車椅子を押させて、梅田から天禄の大冒険にでていたのです。
そして「運動会をみたい」
初めて私のマンションまできて、孫の小学校にいき、老人席で車椅子を入れてもらいました。私は小学校に、エレベーターがあったことに気づかされました。
飛行機で
クリスマスに実家にもどると、家は施錠されずもぬけのカラ。老人2人が、夕方になっても、帰ってこない。カギもかけずにでていった・・・
また、救急車ではこばれたかと思い、東京から帰ってこない弟に初めて電話をかけました。
「ちょっとかわるわ」「?」
老父が車椅子を押して飛行機で東京にでかけていたのです。2泊3日。
カギは父のかけ忘れ。
温泉に行きたい
「死ぬまでに温泉にいきたい」と正月に顔をあわせると言い出しました。
バリヤフリープラン
私は車の運転ができないので、車椅子の母を電車でつれていくしかありません。
トイレのことを考えると、短時間でいける有馬温泉。しかし、車椅子で館内が移動できるホテルはあっても、温泉にいれるまでが難しそうです。
「バリヤフリー」で検索すると、いくつかのホテルの中で、雄琴温泉の「緑水亭」が、昨年11月に新館ができて、「バリヤフリープラン」が用意してありました。
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- 車椅子で部屋の中まで入れること
- 家族も同時に泊まれること(計6名)
- 万が一の場合のため、家族風呂があること
- 食事は車椅子でも可能なこと
などを確認できました。
とまってみると
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- 部屋のトイレにも手すりがしっかりついている
- ベッドが老人にも適当な低さである
- 和室だけでも十分広い
- 琵琶湖の眺めがよい(雄琴港が見える)
- 部屋の風呂がベランダにあり、3人は入れる
朝、子どもは生まれて初めて「日の出」をみました。湖から赤い太陽がぽっかり。
一般のプランより少し高めでした。が、料理がよくできていました。温泉も室内、露天、部屋風呂がありました。
女房と娘が、耳がわるくて大声で一方的に話すしかない母を露天風呂につけている声がきこえてきます。私と老父は、35年ぶりにおなじ風呂につかり、話すこともなく空を見上げていました。
女房の意見
妻は自分の母と年2回温泉にとまりにいきますが、緑水亭の料理は、近年ではもっともよかったということ。