ダーレン・アロノフスキー監督『ブラック・スワン』2010,米
バレエには興味がないというより
縁がないのですが,
近年,バレエ・ブームである,と
テレビで数か月前にいってました.
「白鳥の湖」という作品があることは
知っていても
白鳥と黒鳥を一人のバレリーナが演じるのだといいうことは
今回はじめて知りました.
純粋で生真面目なニナ(ナタリー・ポートマン)にとって
白鳥役は可能ではあったが,
黒鳥を魔的で官能的に演じることは
難しいのでした.
プリマをねらっている団員は何人もいて
演出のトマ(ヴァンサン・カッセル)の手管に
すすんでからめられようとしています.
ニナはトマの男の要求にこたえることができません.
ニナは,性的な表現力の不足を
補おうとあせります.
代役に抜擢されたリリー(ミラ・クニス)が
露骨に主役の座をねらっていることに
気づきます.
私たちは,
ある時点で,
過重に追い詰められたプリマが
どこへむかっていくのか
みえてきます.
たぶん,現実のバレエ団も
そうなのではないか
と思えてきます.