『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』2008,若松孝二
(Gyao)3時間をこえる大作.
1960年ころから1972年まで,
連合赤軍がどのようにうまれ,
「あさま山荘事件」に至ったのか,が
準ドキュメンタリーとして描かれている.
1960年ころの学生たちは,すでに80歳をこえ,
1970年ころの学生でさえ,70をこえている.
私たちの記憶に,学生運動は
そんなこともあったかなぁ,
くらいの青春らしきものの
思い出のようになっている.
若松監督は何をとうろうとしていたのか.
すぐれた「実録もの」ではあるが,
後半,連合赤軍のとらえかたが
私のような人間のいだくものとちがうようだ.
このよくできた脚本と演技とによって,
みている私たちは
多くの若者たちの行動の結末があの「事件」であったかのような
錯覚におちいる.
私たちの社会の特質が
もう少し描きこむことによって
伝わってきそうな思いが残った.