『パブリック 図書館の奇跡』2018年,米
原題は『公共』
エリミオ・エステべス監督・脚本・主演.
自分を更生し,命を救ってくれたのは
図書館であることを確信する公共図書館員.
シンシナティのホームレスたちは
生きるために図書館を利用している.
司書は利用者のために
働いているという自覚のもとに
上司の指示よりも
利用者の立場にたって
図書館を考えていく.
厳寒の屋外では
10分とすごすことは難しかった.
閉館時間がきたら
彼らを追い出す.
1970年~90年くらいには
日本の公共図書館は
アメリカの図書館・社会教育の影響で
図書館運動が少しずつ動き出していた.
しかし,
バブル経済の破綻とともに
公共施設・社会教育の縮小が
通常となった.
この映画は
図書館が社会の文化的基礎
基本的人権を保障する
システムであることを
あらためて
思い出させてくれる.
長く風呂に入っていない男や
うすよごれたわれわれ老人を
追い出す風潮に
あらがう司書のかたがに
敬意を表したい.
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(ついでの話)
昨年はオリンピックがあったから
日本の「猛暑」はタブーだったが,
今年もやはり暑い.
私は,小学生のころから新聞の
天気欄の最高気温がきになってみていたが,
40年くらい前から
大阪の夏が沖縄の夏より暑かった.の
大阪の百葉箱が,
大阪城公園のすずしい場所に移動してからは,
トップレベルの高温をだせなくなったが
わたしたちの暮らす街が
お天気ニュースより10度高いことは
大阪にくればわかる.
(私の温度計が50℃をこえたことがあった)
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埼玉で公民館や図書館を
昼間,用のない市民に開放して
熱中症対策をしているというニュースをみた.
大阪も「クールオアシス・プロジェクト」を
昨年からしているようだが
それがどこなのか探すことができない.
図書館や公民館,区役所は,用のない老人や無職を
追い出しにかかっていて
参加施設ではないことはあきらか.
民間の店舗で
ステッカーをはっているところが
あるかもしれないが,
そんなところ座って本なんか読めないだろう.