『サークル:繋がった二つの世界』
ヨ・ジング『サークル』2017
これは,SF未来サスペンスドラマというのか
何と分類されえるのか,わかりませんが,
この系統の中で
私がもっとも感動した作品です.
はじめテレビで,途中回から見たのですが
過去と20年後の現在(2037年)の話が並行して
進められます.
両方で,事件がおこり
事件の真相究明をはかろうとする
主人公たちがいます.
1部が「BETAプロジェクト」(前半)
2部が「素晴らしき新世界」(後半)
現在は20年たってしまって
2017年の少年少女は
30歳~になっていて,容姿はかわってしまっているから
私たちは
自分の頭の中で
ドラマをいったりきたりして
誰が誰で,どうなったかを
想像していく愉しみがあるのです.
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現在(2037)は「スマート地区」いう
理想的な都市が舞台.
犯罪や苦しみが皆無の
ゆたかな社会.
そこでは,
人間の苦しみや悲しみや怒りが
何に由来するのか
徹底的に研究された成果があるのです.
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過去(2017)の
私たちの時代.
原因不明の死,殺人が続いています.
それから20年後には
人間が根本的に変わっていく
研究がそのころ進められていたのです.
このドラマをみていると
何が,あるいは誰が
正しく未来を夢見て
つくりあげていくのか,
というような根源的な問いを
考えてしまいます.
科学が発達すればするほど
価値判断が重要になり,
その価値判断は権力=支配に直結しています.
生命倫理そのものを
権力の論理にすりかえているのが
過去=現在の私たちなのかもしれません.