カン・ウソク監督『公共の敵』2002年
カン・ウソクという名を
はじめて知りました.
しかし,
『シルミド』2004,
『黒く濁る村』2010
をみていました.
***
そして
『ソウォン』2013でみなおしたソル・ギョングが
もっと若かった『公共の敵』で
さらにみなおし,
『シルミド』の私の見方が甘いのかも,
とも思います.
しかし『1987』2017は,
3度みたけども,
やはりソル・ギョングが
人物設定で迷いがあるように見えました.
『公共の敵』は
それくらいソル・ギョングが
主役の刑事として脇をひっぱっていきます.
特別採用でありながら
すでに公権力の手先らしく
腐った刑事になっています.
あっという設定ではなく
よくある,やくざぎりぎりの刑事が
直感と腕力で
犯人特定がむずかしい猟奇殺人の
犯人をおいつめていきます.
20年前の映画だからか
権力への直接的な批判は
うまくできてませんが,
刑事(という公務員)がどこまで
汚く,甘い汁を吸い続けているかは
わかります.
適当な犯人と犯罪を
でっちあげることは
刑事だけではなく
犯人にもつごうがよいのです.
その適当さは
自分の気に入らない
容疑者については
徹底的においつめていく姿勢と
一体になっています.
カン・チョルチュン(ソル・ギョング)は
それが
たまたま土砂降りの中での張り込みで
便意を催し,
住宅街のすみでノグソをし,
レインコートの男とぶつかったことから
はじまります.
***
『公共の敵』には
韓国映画の現在の名優たちが
そろっています.
若かった彼らが
個性をぶつけあいながら
つくりあげた作品.