チャールズ・チャップリン監督・主演『独裁者』1940
高齢者は
チャップリンを
白黒テレビで
何度もみているのだが,
当時,こどもとしては
すでに古い感じがした.
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毎日,アメリカのドラマやアニメを
みていたから
コメディは
「ドタバタ」において
チャップリンをこえていた.
チャップリンのドタバタは
まだ若かった私には
少し哀しく
自分自身の内面を
ふっと,あざけるような感じだった.
大笑いではない.
テレビにでる,日本の芸人も
チョビひげをつけて
チャップリンを真似る.
私は,『独裁者』が
1940年の作品だと知らなかったし,
知っていたとしても
多くのことに気づかなかったにちがいない.
テレビでは,たいがい
映画評論家が解説をしていたが
どんな内容だったのだろうか.
日本では
すでに彼は神格化され
チャップリン映画は
分析され,理解すべき知的対象として
扱われていた.
非政治的なユダヤ人の床屋が
ゲットーにいるだけで
反権力になるのだが,
彼は
独裁者ヒンケルとそっくり.
チャプリンの演じ分けが
シニカルで
これまた
哀愁をおびている.
チャップリンは
歴史上,大成功をおさめた
大金持ちであったろうが,
チョビ髭とステッキ,山高帽の
貧しい男は
権力への抵抗を示していた.