たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

松田優作の『陽炎座』

鈴木清順陽炎座』1981

 

Gyao

鈴木清順をみたのも
私は出遅れていた.
働くまでは,
映画館にいくだけの余裕がなかったからだ.

松田優作は,
どっかの会館で400円くらいだったか
『蘇る金狼』とか一連の作品をみることができたので,
昼飯をぬいて1日みた記憶がある.

映画から縁遠い暮らしぶりだった.

***

ツィゴイネルワイゼン』が
何年かあとに再上映していた映画館か文化ホールに
(N氏がすすめてくれた)
いって,みておどろいた.

わけがわからないけど
すごいことはわかる.

私より少しだけ上の世代で
黒沢明小津安二郎とかを語る映画好きは
いたが,
どうもみる機会がなかった.

***
陽炎座』は
私には,夢を描いているように思えた.

夢をみるたびに
死へむかっているような感覚がある.

松崎春狐(松田優作)だけが
夢をみているわけではない.
何人かが夢を共有し,
不条理な死がまっているようなのだ.

病院のようであり,病院でなく
劇中劇のようであり,夢の中の夢.

陽炎座の写真

 

はたされない性愛の感覚を
女の情念ととりちがえた
ひとりよがりの男のみる
かってな妄想を
イメージとして伝えること.

コミュニケーションの
くいちがいをも受け入れ
どこでもないところへ
むかっていく.


誰かに,
じぶんの夢を語りたい.

しかし,語れば語るほど
矮小化されていく.

***
鈴木清順の代表作は
GYAOで何本か無料配信されているのに
気づいていたが,
VHSをもっていたのでみなかった.

が,最近,機械がこわれたので
テープをすてて
GYAOでみた.