たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

ソル・ギョングの『ソウォン/願い』--演技の演技

これもイ・レでした---『ソウォン』2013,韓国

あとで気づいたのですが,
このソウォンという少女はイ・レでした.

『ソウォン』の翌年に『犬どろぼう完全計画』.
雰囲気が似ているなとおもいつつも
同一人物とは気づきませんでした.

『ソウォン』大人にはできない演技のイ・レ

酔っぱらいの中年男に
性的暴行をうけて
肛門も膣も失ってしまった7歳の少女.

彼女が,父親と社会に
心をひらいていく努力をしていきます.

どうじに,
自分にひどい暴行を加えた犯人に対して
「悪いおじさん」として
責任を問おうとします.

『ソウォン』父親(ソル・ギョング)と母親(オム・ジウン)

「ソウォン」というのは,韓国語で「願い」を表すという
セリフが後半にあって,
日本人の私はそこでやっと気づきました.

犯人と父親の風貌がどことなく似ていて
父と認識しながらも
コミュニケーションがとれなくなります.

父子の関係を回復するための
父(ソル・ギョング)の姿が自信がないのに
たくましくみえます.

『ソウォン』入院しているソウォンの部屋にあらわれた「ココモン」

私は,映画館でみた「シルミド」(2003)や「1987」(2017)では
ソル・ギョングのよさがわからなかったのですが,

昨年『力道山』(2006)をDVDでみてその,じんわりくる
演技に感心しだしました.
で,この『ソウォン』.

りっぱに,子役のイ・レに対しています.
たぶん,
ココモンを演じているのもソル・ギョングでは
ないのでしょうか.

社会にたちむかう
こどもの視点が中心ですが,
それをひきだす
大女優キム・ヘスクの演技も
みものです.

 

『ソウォン』心理カウンセラー(キム・ヘスク)

みてしまうと
なんでこんなにムナクソワルイ
映画をみないとだめなのか,
と嫌悪感をしめす人もあるかもしれません.

しかし,世界をとらえることが
できる映画は貴重だと思います.