『造られた殺人』2015,韓国
(GYAO)
2回目.ほとんど忘れてしまっていて,
じぶんの記憶をたしかめたかった.
ネットでの,レビューの低さに反して
2回みたことで,おもしろさをさらに強く感じた.
難点とされている部分が
実はこの映画(原題は『特ダネ』)が描きたかったことだからだ.
放送局のテレビ報道記者が主人公で,
じぶんのスクープした連続殺人犯の情報により
どんどん追いつめられていく前半の緊張感.
事件から逃れたくても,状況が
深入りさせてしまう.
***
現在のコロナ騒動において,
政治家だけではなく,ジャーナリストや評論家,
専門家たちが確信をもったふうに
自分の意見のようなものを垂れ流してくれることに
わたしたち庶民はふりまわされ続けて喜んできた.
しかし,誰も自分が2年前に言ったことを
憶えていないかのように,
私たちに指図する.
私たちが真実だと思えば,それが「真実」
であったのだ.
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妻ソジンがどうして廃ビルにいったか,という疑問が
あるが,映画には示されているので,少しだけ
別居している夫がどこで暮らしているのか知らないかったのだ.
すぐにでも話をしたかったから,….
***
マスメディアや警察だけではなく,
個人レベルにおいても
ほとんどの情報が不確かなまま
私たちは,適当に判断してしまっているのだ.
この映画は,韓国でも熱心なファンがいないようだ.
ちょっとしたヒントがところどころに隠してあり
それが説明されずに,
見ているもののあいまいな記憶と推理にまかされているからだ.
注意してみると,
終結部でさえ,みている者に不信しかあたえない
しくみになっている.