『ドライビング ミス デイジー』1989,米
私のすまいのテレビはデジタル放送以降
みれなくなっているので
ときどき
くちかけた実家で見ます.
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昔,近所のレンタル屋で
借りてみた作品.
当時,私は,ヨーロッパ映画を
みにいき,
テレビでは,
深夜の水木の映画番組で
日本映画をみていたような時代.
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そのときは,
愉快な映画だと思ってみて
それだけでした.
歳をとってからみると
時代と登場人物の
意味がやっとわかってきて
おどろきました.
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ドイツ系のユダヤ人一家が
戦後のアメリカ社会で生きる様子を
描いていたのでした.
元小学生教師のデイジーが
老化で車の運転ができなくなり
老いた黒人ドライバーを受け入れていくストーリー.
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しだいに民権運動が高揚していく様子や
キング牧師の演説までが
うまくおりまぜてあります.
コメディだから表面にでない
商売に成功した息子の苦労
-キリスト教社会の中でのユダヤ人の立場
や,
50年代,60年代の
黒人たちのつけた職業など.
『ドライビングミスデイジー』
説明はされないけれど
アメリカ人の現代史の感覚にそった
カットで構成されています.
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あぁ,こういう映画だったのか
(こんな映画やったんかぁ)
と,ひとりごとをいっていました.
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さいご
何十年もたって
老衰して介護施設にいるデイジーを
ホーク(モーガン・フリーマン)と息子が
面会にいきます.
デイジー(ジェシカ・タンディ)が
(おそらく初めて)ホークの手に触れて
「あなたは私の友だち」と告げます.
70年代初頭のアメリカ.
ユダヤの老女が黒人を友人と呼んだのです.