団員の自死
9月末,
タカラジェンヌが飛び降り.
文春がいじめによる自殺だといい,
劇団側がいじめを否定.
文春が続報.
遺族の発言を
一般人はきくことがありませんでした.
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宙組は公演中止.
11月17日に劇団の発表があると
思っていたら
11月10日,遺族の代理弁護人が
「遺族の訴え」を発表.
パワハラをおこなった上級生の謝罪,
過重労働をさせてた劇団の謝罪と賠償
を求めました.
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(昨日)11月14日,劇団側が
記者会見を開き,
一連のいじめ・自殺事件の「調査報告書」
をかいつまんで読み上げました.
過重労働ではあったが
いじめ・パワハラの事実は認められなかった,
という主旨.
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以上が,私の把握している
昨日今日のタカラヅカ騒動です.
熱心に情報を集めたわけではありませんし,
タカラヅカファンでもありません.
関西にすんでいて
こどものころから
タカラヅカはヨシモトのつぎに
耳に親しい劇団です.
実際にみたこともなく,
むかしNHKがよかったころ
放映していたのをみた,という程度です.
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で,あまり興味がないのですが,
近年,いろいろ考えていることの
一つでもあるのです.
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タカラヅカが
相当数の劇団員をかかえて
5つの組で,
1つの組が年数本だしものをかえて
期間限定で上演していくためには
一般の組織を
上回る厳しい訓練と競争が
なされているだろうことは
想像できます.
そのために
もっとも必要な指導と教育は
日本の軍隊システムに
(計画しなくとも)似ていってしまうでしょう.
短期間に,
高い水準で,
劇団員に演技を習得させるには
過重な教育を施し,
過度な競争をさせるのが
もっとも効率的であり,実際的.
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問題は,
その方法と組織が
人間として
若い女性たちをよい方向に導くものなのか
ということです.
おそらく
旧陸軍とおなじように
その歪みは,
いじめ・パワハラの常態化を
黙認する組織になってしまっているでしょう.
で,その「日本的」な組織風土を
悪し,といって
(われわれは)
手放すことができるのでしょうか.
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教育観がかわりました.
こどもがすきなことをさせればいい.
強制することはよくない.
ゲームをしたければ,
ゲームをさせればいい.
学校の先生は
体罰はできないし,
言葉で強制することもできません.
九九をむりやり憶えさせるのではなく
なんとか説得して
憶えてもらうのでしょうか.
漢字はかけなくても
変換してくれます.
クラス内で合格・不合格を
公表するのもなかなかむつかしいようです.
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現在は
教育水準が上がっているのでしょうか.
こどもたちは
よりよい教育を受けているはずです.
バレエなんかも
指導方法はかわったのでしょうか.
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私は,
劇団でのいじめ・パワハラを
容認したいわけではありません.
劇団を指弾することと同時に
われわれ自身の社会が
伝統的にもつ精神風土…
ひょっとして,
日本人にかぎらないかもしれないのですが,
少なくとも
私たち日本人が
近い歴史をふりかえって
散見する残像から
上下関係やいじめのしくみを
自覚し,反省しなければ
ならないように思えるのです.
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多くの人がコメントするように
一般企業で
陰湿なパワハラ・セクハラ
は,繰り返されているでしょう.
効率を優先すること
雑多な経済指標を価値の基準に
すえてきたこと
人間的なひずみと欠落が生じるしか
ありません.
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彼女が
絶望の一歩手前で
たちむかっていたのは
劇団や劇団員だけではなく,
根深いゆがみかひびが
手の施しようのなくなった
日本社会,日本人のようです.