『SKYキャッスル』2018韓国
(Gyao)
前回みたときは,
「上流階級の妻たち」という邦題が
ずれているような気がした.
韓国社会における「上流階級」というより
日本人のイメージする上流階級でしかないからだ.
上流階級のすそ,という感じ.
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韓国ドラマを集中的にみだした一昨年
春木育美『韓国社会の現在』(中公新書2020)をよむと,
韓国の大学受験状況を紹介するのに,このドラマが
分析的にとりあげられていて,
急いでみるしかなかった.
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このドラマは
私が見たこともない,
やや豪邸が集まったゲートのある公園のような集合住宅街
(本来の「マンション」?)
「SKYキャッスル」が舞台.
主婦5人とその夫たち,
勤務医4人と検事出身の大学教授1人,
(ドラマは4軒が中心)
それぞれのこどもたちの
大学受験をめぐる野望と競争,失意と絶望,夢?
地主や資本家,財閥でも
新進の経営者やIT技術者,映画スターでもない,
実力と努力でなんとかはいあがった
(庶民から見れば)上流階級のひとたちが
自分のこどもたちにも
同じように医師や大学教授など有名大学出身のエリートに
しようという野心を現実化していく.
私の想像では,
(日本なら)年収1500万円~3000万円のサラリーマンと
いったところ.
※私たちの統計的中央値は年収375万円.
だから,美しい妻たちは
パートにいく必要はない.
5軒のうちの1軒は
同じ大学病院の先輩であり上司であり
息子が今年ソウル大学医学部に合格した,という
事実,
その「ポートフォリオ」(内申書?)を
みせてもらう,もらわないということから
競争が始まり,
「入試コーディネーター」という
(実在しそうな商売)
謎の女が,このコメディを受験サスペンスに
変えて いく.
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金持が
これだけ投資と努力をしているのなら
トップ大学に合格もするだろう,
と許せる.
日本なら情実入学で早慶も入れるし,
おそらくもうすぐ東大や医学部もそうなるだろう
危機感がある.
生まれつきの金持ちは
韓国でも努力はしないのだろう.
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大学受験のための
読書会で法律家が
を選ぶ.
韓国の高校生が哲学書を読むということを
(誰だったか)日本人の哲学研究者が
ラジオでいってたが
このドラマをみていってるのかもしれない.