仲間由紀恵『大奥』2006
(Gyao)
豪華なロケとセット,衣装.
映画がはじまると,圧倒されました.
ネットで残っている,宣伝用の記事では
20億とも25ともでていて,
キャスティングもすごい(ということ).
公開当時,私は
勤めていて,週休2日制は
給与カットだけの話.
実際は休みも出勤.
映画をみる余裕はなかったのですが,
仲間由紀恵はトリックを夜中みていたので
知っていました.(おもしろかった)
とにかく,『大奥』は仲間由紀恵の映画.
**
忙しいのにムリして邦画は見まい,と
思ったのは,2002年.
仲間由紀恵の『トリック劇場版』.
この人は,ほんとに人気があるのに
作品にめぐまれていない,のではないでしょうか.
家継の時代
大奥総取締役の絵島を
監督のイメージ以上に演じているようです.
**
絵島は28歳.
男性経験がない彼女が
役者と一夜をすごしたことで
愛を知ったという話.
歴史事実に基づくらしいのですが,
大奥の女たち,
歌舞伎役者たち,
の性と嫉妬が核となっています.
絵島がなぜ死罪覚悟で
新五郎を
愛したのか,愛だったのかどうか
が,みていてわからないのです.
高島礼子の先代正室やその中臈,杉田かおるにしても
キャラクターの薄さから,
本人たちの演技や表情に迷いがみられるのです.
そのままでは,
嫉妬心と性欲くらいが
彼女たちのたくらみであり
男がそれを利用しようとして
7歳の少年将軍の権力にひれふす
という時代劇になってしまうのです.
**
『大奥』は
ふんだんに製作費が投入されたころの
映画であることがわかります.
海外にもっていけば
日本のきらびやかな文化を紹介する
映像といえるでしょう.
また,たくみな江戸の風景の創出は
類をみない,すばらしさ
芸術性の高さを示しています.