宝塚について(2)---法の問題と倫理の問題
昨日,
被害者家族側の代理人弁護士が
記者会見をおこないました.
当然ネットでは,ファンが話題にします.
被害者側にたつ人と
劇団側にたつ人.
***
ネット記事やファンブログをみて
思うこと.
①遺族側弁護士が,
いくら有能な弁護士であるのかしれないけど
遺族側は,どうやっても
弱者であるし,
代理弁護人にしても
企業にむきあえば
ちっぽけな存在にすぎないことが
どの記事にもかかれていません.
➁「パワハラ」と見えても
日本の司法で裁判までいって
「パワハラ」認定されることは
なかなか難しいこと.
加害者は企業側であるから
関係者から証拠となる「証言」を
得ることは
ほとんど不可能であり,
証拠は,
家族が提示できるもの以外には
でてくる可能性がひくく
「一方的」な言い分でしかなく
立証不可能であること.
③アイロンやけど事件については
2年以上前のことであること.
これは,
「パワハラ」が断続的になされていたこと
の証左になり
刑事問題にもなりかねないので
劇団側は,たまたまの事故として
決着するしかないこと.
****
現在の司法では,
「客観的」な証拠がないかぎり
企業側が圧倒的に優位に
たっています.
「司法の判断にまかせる」というのは
権力のある政治家や企業家の
言辞でしかないので
被害者側としては
世間に対して「倫理的に問う」
ことしかできないのです.
**
私たちが
それを「司法に委ねろ」と
指摘することは
何も考えていない.
お上がさばいてくれる??
***
『つぎにくるソヒ』は
テレフォン・センターの研修生が
仕事以上に
組織への不信感に
おいつめられ
自殺します.
刑事(ペ・ドゥナ)は
自殺の事件処理をするうちに
企業特有の問題に気づきます.
だれかに
悪意があるわけではなく
彼女をおいつめようとしたわけでもない.
ただ,
過重な労働と
非人間的な企業(社会)の論理が
あるのです.
職業高校の高3生が1人自殺しただけです.
会社・社会は
それまでと同じように機能します.
私たちも
絶望するしかありません.