イ・ジュニク監督『黄山ヶ原(ふぁんさんぼる)』2003
(Gyao)
この時代はテレビで『善徳女王』を2回みても
私にはややこしかったが,
ひとりキム・ユシンは心に残っている.
『ふぁんさんぼるの戦い』は
三韓一統もくぜん660年の
新羅のキム・ユシン(チョン・ジニョン)と
百済のケベク(パク・チュンフン)の戦い.
この映画は男たちの戦争の無謀さと無意味さを
極端化して描く.
栄光と悲惨が並行する.
戦いを決定する権力者たちはより保身的=政治的になり,
戦場では
死するために戦うしかない.
しかし,この時代,貴族の息子=エリートの一部(ファランたち)も
父のために,家のために
死ぬことを選んだ.
このストーリーに
女の判断ははいってこない.
ただただ,おとこたちの論理が
死ぬことを正当化していく.
しかし,なんのために.
この映画は
戦場での壮絶な死が
滑稽な頓死でしかないことに
気づかせようとする.
男の世界の
何と短絡的で
他者への思いやりが不可能であることか.
史実にしたがっているため
私たちはケベクが優れていたことと
その敗北をしっている.
***
この作品は
女のことばをしっかりと
わたしたち聞かせてくれる.