たけの湯な日記

個人的な感想ー画像の「引用」が不安です.

ベルナルド・ベルトルッチのテレビ映画『暗殺のオペラ』

『暗殺のオペラ』1970, 伊,テレビ放映

Gyao

1970年は,日本ではカラーテレビの普及も
ひと段落し,
真空管からトランジスタに移行もはじまり
テレビが小型化しだし,
筺が木目やネズミ色から

赤いプラスティックや光る黒が
はやりだした時期です.

テレビ放送のほとんどが
カラーになり,
何年も美しい「赤」が指標とされました.

***
wikipediaでみると

『暗殺のオペラ』は
イタリアのテレビ映画.

ファシストの父と同じ名で,生き写しの
主人公アトス・マニャーニが
父の暗殺の謎をたどっていく
ミステリー.

『暗殺のオペラ』

世界中が
映画からテレビの時代に
なっていったことがわかる作品.

映画以上に
綿密に構図が計算され

カラーブラウン管では
絵画のように,しかし
微かな動きが感じられます.
※現代の感覚とはかなり違う.

『暗殺のオペラ』

巨大なスクリーンではなく
小さなブラウン管を凝視する
視聴者に
景色の奥行きを感じさせるために

屋外は,意図的に
感覚的な配置による錯視ではなく

平行線が多用されます.

『暗殺のオペラ』平行線が収束していく

50年前の視聴者は
ブラウン管で,自己の経験なしで
距離を感じることが難しかったのですが,

この遠近法を用いた画面により
はるかな遠景を獲得しました.

『暗殺のオペラ』窓には屋外が続いている(樹木のトンネルと子どもの配置)

演技や俳優じたいに
演劇的な不条理さも加わって,
50年前
イタリア映画が
精神性や芸術性に重心を
かけていたことがわかります.
フェリーニだけではなかった…

『暗殺のオペラ』画面の外部に焦点がある

この映画については,
わかった,わかった,
とはいうことができませんが,


字幕にあるセリフと
静的な情景を
楽しめる映画でした.

『暗殺のオペラ』